涙から1年 ニューヘアカラーの古江彩佳は「とりあえず」リベンジ成功

赤く染めたヘア。古江彩佳は初日の出遅れを取り戻した(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇ファーヒルズ朴セリ選手権 2日目(22日日)◇パロスバーデスGC (カリフォルニア州)◇6447yd(パー71)

古江彩佳が昨季予選落ちした2試合のうち、ひとつは1年前の本大会だった。47位から出た2日目に「75」を叩いて5オーバー102位。メジャー以外の試合で初めて決勝ラウンドに進めず、涙を流した。

ことしは難しい午後を回った初日に3オーバー103位と出遅れ。「アンダーパーが必須。この難しい、トリッキーなコースでバーディを取っていかないといけないプレッシャーをすごく感じながら」プレーしたこの日に3バーディ、1ボギーの「69」。さらに一回り、たくましくなった安定感を発揮し、通算1オーバー56位で週末に進んだ。

申ジエ(左)と2日間同組だった(撮影/田辺安啓(JJ))

予選通過圏外で終えた前日は、「ゴルフ自体はそこまで悪くなかったと思う。粘っこい芝にちょっと対応しきれなかった」という修正点をふまえて出だしから集中力を高めてプレー。1つスコアを伸ばして迎えた前半14番(パー5)、2打目を左に曲げた直後、ラフからの3打目をピンそば1m以内につけてバーディを奪った。

ラフの中のボールは「すごく深いところにあったわけではなかった」からこそ難しい。飛ぶのか、飛ばないのか。「ちょっと距離感が分からない感じではあったけれど、うまく計算できた」というウェッジさばきが光り、チャンスホールでしっかり伸ばした。

カッコいい立ち姿(撮影/田辺安啓(JJ))

日本人メンバー9人が今季初めて出そろった今大会は、米ツアーの開幕6試合目。古江は“皆勤”しているだけでなく、2月には欧州ツアー「アラムコ・サウジレディース・インターナショナル」にも出場。米国から中東、アジア3カ国(タイ、シンガポール、中国)を回って再渡米する直前、日本での短い空き時間に、髪のインナーカラーをバイオレットピンクに染めてきた。

上位の背中はまだ遠く、年間ポイントレースで2位の立場にあっては満足できるはずもない。「まずは4日間できることが一番大事。(現状は)不本意ではありますけど、きのうの難しい風、ポアナ芝の中でやっぱりしょうがない部分はあった」と前を向く。

「去年の悔しさは…、とりあえずは晴らせているかなあと思います」と笑った。(カリフォルニア州パロスバーデス・エステーツ/桂川洋一)

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