【追記あり】ハジャル暫定優勝もペナルティ。宮田莉朋はチームメイトとの直接対決を制し自己最高位入賞/FIA F2第3戦レース1

 3月23日、2024年FIA F2第3戦メルボルンのスプリントレース(決勝レース1)が行われ、アイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)が今季初優勝、FIA F2通算2勝目を飾ったが、その後、ペナルティによりロマン・スタネ(トライデント)が繰り上がりでFIA F2初優勝となった。

 12番手スタートの宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)は6位に入り、第1戦フィーチャーレース以来の入賞を果たしている。

※追記:レース後、ハジャルに対し10秒のタイムペナルティが下り、ロマン・スタネ(トライデント)が繰り上がりでFIA F2初優勝へと変わった。

 F1オーストラリアGPのサポートレースとしてメルボルンのアルバート・パーク・サーキットで迎えた第3戦。決勝スプリントレースのグリッドは、22日に行われた予選のトップ10がリバースグリッドで決定され、10番手タイムを記録したロマン・スタネ(トライデント)がポールシッターとなった。

 気温18.8度、路面温度33.3度、日本時間12時15分(現地時間14時15分)開始のフォーメーションラップを経て、タイヤ交換義務のない23周、もしくは45分+1周のスプリントレースはスタートを迎えた。

 グリーンが点灯した直後、2番手スタートのガブリエル・ボルトレート(インビクタ・レーシング/マクラーレン育成)が大きく出遅れる。そこに3番手スタートのハジャルと4番手スタートのジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)が並びかける。

 3ワイドとなる中、一番左側を走るハジャルの右サイドにマルティが接触。その弾みでマルティはボルトレートと接触し、2台はピットレーン出口側のウォールにヒット。ここでレースを終えることに。

 これでオープニングラップからセーフティカー(SC)が導入され、SC導入時点でハジャル、スタネ、ポール・アーロン(ハイテック・パルスエイト)、ゼイン・マローニ(ロダン・モータースポーツ/ザウバー育成)、クッシュ・マイニ(インビクタ・レーシング/アルピーヌ育成)というトップ5に。

 一方、12番手スタートの宮田はスタートの混乱の最中、フランコ・コラピント(MPモータースポーツ/ウイリアムズ育成)にかわされるも11番手でリスタートを迎えた。

2024年FIA F2第3戦メルボルン アイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)

 レースは7周目に再開された。リスタート早々のターン6で4番手走行のマローニがコースオフを喫し、宮田の眼前となる10番手にまでポジションを下げる。宮田は9周目のターン1でマローニをオーバーテイクし10番手に浮上する。

 マローニの背後には12番手ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)、13番手オリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)も迫り、中段勢の戦いも熾烈を極める。

 10周目、4番手争いを展開していたアンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)とリチャード・フェルシュフォー(トライデント)がターン12でクラッシュ。また、2台の背後にいたアーロンもコースオフを喫し、フロントウイングにダメージを負い後退することに。

2024年FIA F2第3戦メルボルン 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)

 続く11周目のターン1ではマローニが宮田をパスする。しかし、宮田は続くターン3で再びマローニを攻略し、今季2勝を飾っているチームメイトとの直接対決を制する。さらに混戦の間隙をついたマルタンスとベアマンもマローニを攻略する。中段勢も見応えのあるバトルを繰り広げられる中、ターン12でのアクシデントにより2度目のSC導入が宣言される。

 これで2度目のSC導入時点でハジャル、スタネ、マイニ、デニス・ハウガー(MPモータースポーツ)、コラピント、ザク・オサリバン(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)、宮田、マルタンス、ベアマン、マローニというトップ10となり、15周目にレース再開を迎えた。7番手の宮田は先行するオサリバンとの間合いを空け、後続から迫るマルタンスを抑えきる。一方、トップのハジャルはリスタート早々からスタネを1秒以上引き離し逃げきり体制に入る。

 2番手スタネが後続を蓋する状況となり、7番手宮田を含む中段勢もスタネを先頭とする隊列に追いつく。そんな最中で好ペースを見せたのは宮田だった。19周目にオサリバンを攻略し6番手に浮上すると、DRSが使えない中、2.3秒先行する5番手コラピントを上回るペースで周回を続ける。

 22周目、3番手マイニの背後にハウガーが接近。ターン9でマイニを攻略し、ハウガーが表彰台圏内に浮上する。宮田は背後にマルタンスを従えながらファイナルラップに入った。

 23周目を終え、ハジャルが6.827秒ものリードを築きトップチェッカーを受け、FIA F2通算2勝目、今季初優勝を飾った。2番手にスタネ、3番手にハウガーが続いた。宮田は6位を守りきり、第1戦フィーチャーレース以来の入賞。一方、6番手スタートのマローニは11位となった。

※追記:レース後、トップチェッカーを受けたハジャルに対し10秒のタイムペナルティが下り、スタネ(トライデント)が繰り上がりでFIA F2初優勝。宮田は5位へと変わっている。

 続く、フィーチャーレース(決勝レース2)は3月24日の9時35分から、タイヤ交換義務を有する周回数33周、もしくは60分+1周で争われる。

2024年FIA F2第3戦メルボルン アイザック・ハジャル(カンポス・レーシング/レッドブル育成)
2024年FIA F2第3戦メルボルン ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)
2024年FIA F2第3戦メルボルン アンドレア・キミ・アントネッリ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)
2024年FIA F2第3戦メルボルン 優勝のアイザック・ハジャルを讃えるジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)
2024年FIA F2第3戦メルボルン スプリントレース暫定表彰式

■2024年FIA F2第3戦メルボルン スプリントレース正式結果

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 23 R.スタネ トライデント 43’59.337

2 11 D.ハウガー MPモータースポーツ 0.349

3 9 K.マイニ インビクタ・レーシング 1.754

4 12 F.コラピント MPモータースポーツ 2.393

5 6 宮田莉朋 ロダン・モータースポーツ 2.984

6 20 I.ハジャル カンポス・レーシング 3.173

7 1 V.マルタンス ARTグランプリ 3.639

8 2 Z.オサリバン ARTグランプリ 6.615

9 7 J.クロフォード ダムス・ルーカスオイル 7.297

10 5 Z.マローニ ロダン・モータースポーツ 7.921

11 8 J.コレア ダムス・ルーカスオイル 10.156

12 14 E.フィッティパルディ ファン・アメルスフォールト・レーシング 11.864

13 25 T.バーナード PHM AIXレーシング 15.612

14 3 O.ベアマン プレマ・レーシング 16.095

15 15 R.ヴィラゴメス ファン・アメルスフォールト・レーシング 16.269

16 16 A.コルデール ハイテック・パルスエイト 35.544

17 24 J.デュルクセン PHM AIXレーシング 44.447

18 17 P.アーロン ハイテック・パルスエイト 72.351

– 4 A.アントネッリ プレマ・レーシング DNF

– 22 R.フェルシュフォー トライデント DNF

– 10 G.ボルトレート インビクタ・レーシング DNF

– 21 J.マルティ カンポス・レーシング DNF

・ペナルティ:
#3 オリバー・ベアマン:10秒タイムペナルティ/他車のコースアウトを誘発
#20 アイザック・ハジャル:10秒タイムペナルティ/衝突の原因

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