「抜けてた部分が見えた」前半22分、ベンチを飛び出した長友佑都は板倉滉に何を伝えたのか

日本代表は3月21日に行なわれた北中米ワールドカップ・アジア2次予選で、北朝鮮と国立競技場で対戦。開始2分に田中碧が決めた先制点を守り切って1-0で勝利し、同予選3連勝を飾った。

この試合で気になるシーンがあった。22分、菅原由勢が顔面に相手の肘打ちを受け、ピッチに倒れて試合が中断する。

この間に、サブメンバーだった長友佑都がベンチを飛び出し、タッチライン際まで行って、ゲームキャプテンのCB板倉滉に何かを指示を出していたのだ。いったい何が気になっていたのか。

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翌22日、練習後の取材で長友本人に尋ねると、こう明かしてくれた。

「細かい(最終)ラインの上げ下げっていうのがちょっと意識的に抜けてた部分が見えたんで。相手がロングボールを蹴ってくるっていうのはもちろんあるんだけど、下げすぎると全体が間延びして、逆に苦しくなっていくっていうところで、相手がバックパスした時とか下げた時は、すかさずラインをアップしろと」

37歳のSBは「(アップ)した後は、やっぱり(北朝鮮が)蹴ってくるんで、裏の対応もしなきゃいけないから、いいポジションをみんなで取るというところを伝えてましたね」と言葉を続けた。

先のアジアカップでは、準々決勝でイランに敗れた後、MFの守田英正が「もっと外からこうした方がいいとか、チームとして徹底しようとかが欲しい」と発言し、反響を呼んだ。

ワールドカップを4度経験しているベテランは、ピッチに立たずとも「外からのアドバイス」で勝利に貢献した。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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