少雪でダム水不足も 農業用水確保に影響か/青森

少雪を受けて開かれた岩木川水系渇水情報連絡会

 今冬の青森県内の少雪の影響でダムの水が少なくなり、春先の農業用水の確保に影響が出る可能性が懸念されている。国土交通省や県でつくる岩木川、馬淵川の各水系渇水情報連絡会は22日、臨時会議を青森市内で開催。雪解け水の減少を見据え、ダムの水位を例年より高く設定していることなど現在の対策状況を報告した。

 国土交通省青森河川国道事務所によると、冬の少雪を理由に渇水情報連絡会を開くのは珍しいという。

 県内では例年、3月ごろから雪解け水でダムの貯水量を増やし、田植えの準備に使用される農業用水を確保している。

 ただ、岩木川水系の浅瀬石川ダム、津軽ダムの流域では3月18日時点の積雪深が平年の3~5割程度の観測地点があり、ダムの貯水量が不足する可能性がある。

 22日の会議では岩木川ダム統合管理事務所の担当者が、少雪を受けた水位の運用状況を説明。例年、雪解け水の流入を考慮して1月ごろからダムの水位を下げているが、今年は浅瀬石川ダムで8メートル、津軽ダムで10メートル程度水位を高く設定していることを報告した。

 北上土地改良調査管理事務所によると、馬淵川水系の大志田ダム(岩手県)では2月に例年以上の積雪があり水位が回復。現時点で貯水に影響はないという。

 青森河川国道事務所によると、現時点で節水の呼びかけや、ローテーションで農業用水を取水する「番水制」を導入する予定はない。三浦俊明副所長は「雪解け水が少ないので、ダムの貯水は降雨量に左右される。水を補給する側と、水を使う側の綿密な連携が必要になってくる」と述べた。

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