「速く競争力があることを示した」豪州GP、角田裕毅の好調ぶりを各国専門メディア強調! チーム内対決でも「ユウキが優位に立っている」

F1第3戦のオーストラリア・グランプリが開幕。アルバートパーク・サーキットにおいて、3月21日にフリー走行1、2回目(FP1、FP2)が実施されたのに続き、22日にはFP3が行なわれた。

開幕2戦は悔しい結果に終わったビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は、昨季初ポイントを記録したこのオセアニアでの週末での巻き返しを誓ったが、FP1では最多タイとなる26周を走行して全体5番手となる1分18秒621というベストタイム、続くFP2では27周回で1分18秒188(10番手)を計測している。

初日を終えた彼は、チームの公式サイト等を通して、「初日としては、過去2戦に比べて良い状態です。チームは準備面で素晴らしい仕事をしてくれたので、明日が楽しみです。予選は明らかに厳しいものになると思いますが、ディテールを細かく調整することで、全てが整い、明日すべてをまとめることができるでしょう。今夜は最大限の準備をして、可能な限り力を注ぎます。予選では、Q3に進出できることを願っています!」と満足感を示すとともに、2日目以降に向けて意気込んだ。

また、F1公式サイト『F1.com』のインタビューでは、「コースがとても狭いこともあり、予選ではディテールが重要になります」と語り、また「強風が吹いており、僕自身も怖い思いをしましたが、幸い、何の損傷もありませんでした。もっとも、ここではいつもそうだし、車は安定しているので問題ありません。もっと悪いことが起こると思っていました」と明かした(フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』より)。

RBのレーシングディレクター、アラン・パーメインは「今日は通常通りで、トラブルのない1日だった。(中略)両ドライバーともに車には非常に満足しており、何の問題もなかった。我々はプログラムを進め、やりたいことを全て完了し、今は明日のために車を準備している」と、全てが順調であることを強調している。
各国メディアの報道を見ると、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「メルボルンでの金曜日、日本人ドライバーは自分の車をトップ10に持ち込むことができ、ドライコンディションとレースペースの両方で、速く競争力があることを示した。この週末を通して、同様の状態を続けてほしいとチームは期待している」と、予選や決勝でも期待が持てることを窺わせた。
前出の『NEXTGEN-AUTO』も、「RBはオーストラリアGPの初日、再び第2集団の先頭を走っているように感じさせた。戦前に期待していた通り、ユウキはトップ10に入っており、この週末の初めから好調を示している」と、こちらも角田の初日をポジティブに振り返っている。

なお、ホームグランプリということで注目されているダニエル・リカルドは、FP1では1分19秒274で11番手、FP2では1分18秒534で12番手という結果。いずれもチームメイトの後塵を拝することになったオーストラリア人ドライバーについては、英国のF1専門サイト『F1 OVERSTEER』が「リカルドはFP1で角田より0.653秒遅く、FP2でも0.346秒の差をつけられた」と厳しく指摘した。

また同メディアは、元F1ドライバーで現在はスポーツ専門チャンネル『Sky Sports』でコメンテーターを務めるカルン・チャンドックの「RBは経験豊富な人材としてダニエルを連れてきたが、実際に直接対決ではユウキが優位に立っている。サウジで両者の差は0.5秒で、今回は0.3秒。これまで、我々はセルジオ・ペレスとレッドブルのシートを争うのはダニエルだと思っていたが、これまでのところ、彼はユウキを倒すのに十分な努力をしていないと言わざるを得ない」というコメントを紹介している。

また、23日午前に行なわれたFP3では、角田は19周回で1分17秒673を記録。全体11番手の記録を残した。同僚のリカルドは1分17秒963(20周)で18番手となり、ここでも角田が上回っている。

構成●THE DIGEST編集部

© 日本スポーツ企画出版社