角野隼斗、Apple 表参道でピアノ生演奏 クラシック音楽の楽しさ伝える使命も語る

ピアニストであり、YouTubeではCateen(かてぃん)名義でも活躍する角野隼斗が3月22日、Apple 表参道で企画された「Today at Appleセッション『スポットライト:角野隼斗に学ぶ、アプリで楽しむクラシック音楽の新常識』」に「Apple Music Classical」アンバサダーとして出演。トークとピアノの生演奏をおこなった。

「Apple Music Classical」はクラシック音楽に特化した生まれた新アプリ。Apple Musicのサブスクリプション内で世界最大級のカタログや、指揮者・作曲家・楽器など詳細なカテゴリによる検索機能、空間オーディオによる臨場感あふれる音質を楽しめる。

まず角野は登場とともに、バッハ「イタリア協奏曲 第1,3楽章」を披露。機材トラブル対応の合間にはショパン「子犬のワルツ」をサービスする場面も。そして、いよいよ佳境の『角野隼斗 全国ツアー 2024 “KEYS”』について「明日(3月23日)で千秋楽なんです。22公演、日本の色々なところを回らせてもらって。色々な場所で色々な人に会って美味しいものも食べました」とコメント。

続いてピアニストを志した経緯を改めて話してから、クラシック音楽について「ファンの年齢層が高めで先細りになるんじゃないか、という不安があって。それを伝えていくことが使命ですし、自分を通して楽しみながら次の世代に繋げていきたい」と話した。

「Apple Music Classical」の使い心地は「同じ曲にたくさんの録音があるので、作品単位で聴き比べるのが楽。バッハの曲をチェンバロで弾いているアレンジにフィルタできたらいいですね」と語り、実際にどう使うかもスクリーンを使ってレクチャーしていく。この日リリースされたばかりの自身のアルバム『Classical Session』も空間オーディオでミックスしたという。

そして同作に収録のバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」を演奏した。ソフトペダルを使い、グランドピアノの響きをコントロールしながら入魂し、低音の余韻を残してフィニッシュ。

その後も質問には「演奏の時は何も考えず、感じた閃きが自然にでる状態がいい。その状態を保てるように練習する」、「音楽の要素は過去からの引用ですから、それを学び、感じないと新しいものは生まれない」「新しい曲を自分のものにする時は耳や手、頭、目からの情報を脳に繋げる」など金言が多かった。

最後は先日発表されたソニークラシカルとのワールドワイド契約について「光栄なことだと思っていますし、ソニークラシカルが興味を持ってくれたっていうのが嬉しい。今作っているアルバムを完成させてリリースしたいと思います」と話してから、自作曲「胎動」を披露。2種類のアルペジオの往復から展開していく演奏に拍手が送られて、イベントは幕を閉じた。

(文=小池直也)

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