【インタビュー】清春、デビュー30周年、4年ぶり11thアルバムに表現者の果てない息吹「この瞬間は永遠である」

デビュー30周年を迎えた清春が3月20日、4年ぶり通算11作目のオリジナルアルバム『ETERNAL』をリリースした。“永遠”の意をタイトルに掲げた本作は、果てから目を逸らさずに表現者として進化を続ける清春の息吹を存分に味わえる内容となっている。

収録は全14曲。あいだに3つの「Interlude」を挟みながら全未発表曲で構成されたアルバムには、あまりにも圧倒的な歌が強烈な存在感を放つ。で清春自身が語った「この人生を通じて何よりも本気でやってきたことって、歌なんで」という言葉が、そのままかたちになった仕上がりだと言っていい。

既報の通り、2024年春から2025年2月9日までの1年間、<清春 debut 30th anniversary year TOUR 天使ノ詩 NEVER END EXTRA>の開催も決定している。3月にオーストラリアツアーを共に廻ったBorisとの競演に加え、ビルボードツアーやSADS、黒夢でのライヴが予定されていることも大きな話題だ。新たな名盤を生み出した今、清春は何を思うのか。3月上旬のとある日、じっくりと話を訊いてみた。

◆ ◆ ◆

■時を楽しむ、時を忘れる■それが『ETERNAL』

──前アルバム『JAPANESE MENU/DISTORTION 10』リリースから4年が経ち、世の中は様変わりしました。『ETERNAL』の第一印象ですが、明るいアルバムだと感じたんです。

清春:ラテンぽいとかって言われますね。そういうリズムがあるってことを指してるんだろうけど、たしかに歪んだギターもないし、編成楽器の種類的にダークな感じは出ない。それで明るく感じるのかな。

──たとえば、“ダークなヴィジュアル系”のように評価するのは無理があるかな、と。

清春:でも歌だけ聴くと、V系的なところもまだ全然あるのかなと思います。どうやら僕はレジェンドの一人らしくて(笑)。以前の僕のことを知らない人が聴くと、そういうふうには聴こえないんだけど、V系を知ってる人が聴くと、そう聴こえる。この歌が自分の好きな曲調の中でのベストだと思っているんです。昔から自然とこうなるから、急にラップやデスボイスにするほうが不自然なんですよね。自分がどの楽器とマッチするのかを探した結果、今回はドラムとベースがいない、パーカッションとかのほうにいって。だから決して、アコースティックやスパニッシュや民族風の音楽をやるっていうつもりはないんですよ。

──そういう枠組みにはとらわれないということですね。

清春:ジャズっぽくしようとか、ラテンっぽくしようとかもない。これで十分というか、自分の楽曲を1個の立体として伝える時に、これぐらいがいいのかなと。でも、まだ全然途中だと思う。30年の活動の途中でアコースティックアルバムとかを挟んではいるものの、バンドスタイルでずっとやってきてて。『JAPANESE MENU/DISTORTION 10』から変わったものがあるとしたら、ベースを入れないとか。そういう意味で言うと、『ETERNAL』はまだ、変わっていく最初の段階かな。アマチュアの人がスタジオに行ったら、ドラムセットとギターアンプとベースアンプがあるじゃない?

──備え付けの機材…たとえば、ドラム、ベースアンプ、ギターアンプが2台、キーボードが用意されていますね。

清春:そう。ギターとベースとドラムとヴォーカルが一人いて、ギターをもう一人入れよう、キーボードも入れようって導かれちゃう。バンド編成の枠組みがそこで既成概念として出来上がっちゃうんだよね。そういう編成でバンドをやる人が多いから、平均的なそれをスタジオに置いてくれてるんでしょうけど。思考停止だよね。ソロになって20数年経つなかで、最近ちょっとだけフェスやイベントに出るようになったんだけど、その世界でも皆さん普通なんだよね。ギターがいて、ベースがいて、ドラムがいるっていう。

──フォーマットに則ったバンド編成なんですね。

清春:コアなフェスにはすごい人がいるのかなと思ったら、別にみんな普通で。曲が僕らとは違うっていうだけで、たいして上手くもない。だけど、そういうフェスに出演してるってイメージだけでやれちゃうじゃないですか。そういうのじゃなくて、僕は全部すごいのがいいと思ってます。フェスのために曲自体を変えていくっていうのがすごく変で。音楽というエンターテイメントをパフォーマンスするなかで、歌もそうですけど、もっとすごくなりたい。声量から何から。

──求めるレベルはまだまだ上。

清春:一緒に歌って負けたっていう人、あんまいないんですよね。上手さでは負けますけど、響いている感じは負けないかな。

──そんな清春さんの歌が響く『ETERNAL』は、ある種の賑やかさに目を奪われる一方で、余白や余韻の使い方が巧みなアルバムだと思いました。

清春:そうだね。音が詰まっているわけではないから。

──たとえば、数ヵ所の「Interlude」(「Interlude by DURAN」「 Interlude by タブゾンビ (SOIL&“PIMP”SESSIONS) & 栗原健」「 Interlude by 栗原健」)によって、作品全体が引き締まっているように感じます。

清春:あらかじめこういうインスト曲を作って、ストーリーっぽくアルバムを構築したんじゃなくて。レコーディングのときに皆さんのプレイがすごいから、「ちょっと弾いといて」っていう。「どこに入れるかわからないけど、30秒とか1分のを、いい感じでもらえませんか?」ってだけなんですけどね。アルバムの曲を並べてから、ここに入るなとか。だからコンセプトアルバムではない。

▲『ETERNAL』初回限定盤
──即興的な成り立ちなんですね。『ETERNAL』には近年のアルバムの中でも特に“生きる喜び”のようなものを感じました。ここ数年での清春さん自身の死生観の変化も作品に反映されているのでは?と思ったのですが。

清春:うーん…どうでしょうかね。アーティストも人なので、みんな歳をとっていくし、必ず死ぬ。死は仕方のないことだけど、肉体としての死なのか、人生としての終わりなのか、ミュージシャンとしての引退なのか。3つくらいあると思うんです。肉体としての死は、急に死んでしまうというのが、儚いよね。今回の『ETERNAL』はね、“これは永遠である”っていうアルバム。人の命や肉体に限界はあって、決して永遠ではないけど、“この瞬間は永遠である”って言えたらなって。終わりがないってことではないんですよ。なれの果てっていうのはあるし、“あと何年で歌えなくなるのかな”というミュージシャンとしての死とか、“あと何年で家族と会えなくなるのかな”という肉体の死とか。死は平等に訪れる…崩壊していくわけだから。終わることを考えて生きるっていうのは、すごく大事なことであって。時を楽しむ、時を忘れるっていうっていうことを無意識にできるってこと、それが『ETERNAL』かなと。

──なるほど。

清春:CDを聴いてるときって、この曲のこのフレーズが好きとか、あるじゃないですか。僕はそういうところを何回も巻き戻して、“ここ、いいよね”って聴いてたりした世代なんですけど、その数秒間は永遠で。時を超えることができる。“わー、楽しいな”と思ってるときって、いつの間にか時間が経つじゃないですか。“帰りたくない、あと5分だけ”ってなったり。それはすごく良いことだと思うんですよ。その一番強烈なものがライヴで。僕のライヴのなかでも、時間がもっと欲しくなるような、本当のアンコールが何回かあったけど、『ETERNAL』の歌詞ではそんなことを言いたかった。今生きてる目線から、“こうかもな”っていうものを歌えたらなと思ってます。年食ってくると、なんかテーマが決まってくるんですよ。誰かとずっと一緒にいるとか、自分がいつまでこうしているのかとか。歌詞って結局、それしかないのかなと思うんですよね。

──このアルバムには、そんな背景があるんですか?

清春:救いを求めて音楽を聴いてるっていう人もいると思うんですよ。歌詞でいえば結果的に、ファンを意識したことを多く書いてしまうことになる。物じゃなくて人間対人間なので、その人たちのために何ができるかっていう。僕は、進行とか台本がほとんどないライヴをやってて、曲順も毎日変わってる。

──それゆえの感動があります。

清春:たとえば僕、バンドとか歌手がメインになる日本のフェスって、ディズニーランドに行くより地味に感じるわけ。映画が好きな人もスポーツが好きな人も、みんなディズニーランドは楽しい。非日常感があったり、ミッキーのカチューシャを着けることにも何の抵抗もなくなる。ちょっとはしゃぐじゃないですか。ところが日本の場合は音楽イベントってそういう場所ではない。それこそ、観ている人たちにさっきも話したようなフォーマットがあって。そこがなかなか世界に追いつけないのかなって思うんです。外国人の楽しみ方って全然違う。

──たとえば日本のロックフェスでも、<PUNKSPRING>のように出演者も観客も半分が外国人のようなものは、盛り上がり方が全然違いますし。

清春:うん。ちょっと前に、ブラック・クロウズのライヴに行ったんだけど、僕の後ろで外国人がめちゃくちゃ叫んで踊ってて、うわー!って。ああいうふうになれればいいんだけど、日本って気質的になれないじゃん。ライヴでは鑑賞する。で、曲が良かったら立って、ちょっとノッてみる、拍手するっていう文化。近年では、ダイヴとかいろいろあるけど、それも本気でやってるわけじゃない。

──中途半端な感じなんですね。徹底的ではないというか。

清春:やってるけど、それは何かを見て、ここでこうやろうってフォーマット化されたものを真似てるってだけで。周りが拍手してるから、私もしなきゃっていう。Borisと一緒にオーストラリアツアーに行ったんですけど、現地の人は周りとか関係なく楽しんでくれるんですよね。逆にマッチしない人はしゃべり倒してたり。個人レベルで違うんですよ。

■その時代その時代から■はみ出してる音楽を作りたい

──日本と世界のライヴ事情の話、興味深いです。判断基準は自分自身が好きかそうでないか。

清春:日本は、友達の間で“このアルバムいいよ”って評価が高まってからだったり、他の人がどういう感想を持つかを見てから、アルバム聴いたりする。“売れてきたみたいだから聴く”っていうこともあるよね。それはいいと思うんですよ、音楽の聴き方が変化して、サブスクになったわけだから。CDショップの試聴機で聴いてみて、“うわ、最高じゃん! これ買う”っていう出会いじゃなくてね。たとえば、清春というアーティストのCDを買ってくれるのは、ファンだけかもしれない。だけど、昔はそうじゃなかったじゃん?っていつも思うんです。そんなにファンじゃなくても買ってたというか。試聴機でCDを聴いたり、アルバムを買ったりして、音楽と能動的に出会うこと自体が、もっと楽しかったんですよ。音楽雑誌のライターのディスクレビューが人の気持ちを動かしていた。今は、音楽雑誌もなくなりつつあって、レビューも減ったけど、あれも素晴らしい出会いだったわけで。

──そんな時代もありました。

清春:今って違うじゃない? ファンが何人いて、これぐらい売れるって予想しながらCDを作るし。でも僕はまだ、たまたまCDを買う人はいると信じてるんだよね。でなければCDなんて、ファンクラブだけでリリースすればいいわけだから。このインタビューも、8割方は僕のファンしか読まないと思う。だけど、残りの2割か1割、ファン以外の人が読んでくれるかもしれない。そういう人たちが“あ!”と思って、僕のアルバムを聴いてみるってこともあると思うんですよ。

──何のために作るかという。

清春:周りの人が拍手してるから私も拍手しようかなとか、周りの人がダイヴしてるから俺もダイヴしなきゃとか。その瞬間、“音楽を聴いてるのかな?”と僕は思うんですよね。そういう日本の風習みたいなこととはできるだけ関係のないものを僕は作りたい。その時代その時代からはみ出してる音楽を作りたいんです。丸く収まってるほうがいい時代ではあるんだけどね。言葉も規制されるし。

▲『ETERNAL』通常盤
──コンプライアンスがどうとか。

清春:でもね、あんなのTVとかCMの話なんですよ、スポンサーありきの。スポンサーがないアーティストだったらそんなことはどうでもいい。それなのになんでみんな気にしてるんだろう? 歌詞とかMCとか活動スタンスとか、あまりにも丸い。丸いから、どっかに転がって行っちゃうんですよね。尖ってる風なくせに丸い。

──なるほど(笑)。

清春:黒夢でデビューしてから30年、音楽シーンなんて別になにも変わってないんですよね。変化があったとしたらチャートへの意識とか価値観がなくなったことぐらいかな。今はビルボードチャートとかあるんだろうけど、それもあまり話題にならないじゃん。

──音楽の聴き方や接し方が多様化しています。

清春:そんななかで、なんで作品だけが丸くなっていくの?って思うんですよ。作品だけが時代を意識しながら丸くなっていくのは変だと思う。

──確かに。

清春:今、ヒップホップのほうがロックより全然尖ってるじゃん。悪なのか正義なのか、ちょっとわからないですけど、昔はロックにそういう人もいた。今やそういうのはロックにいなくなって、MCが敬語になったりして。ヒップホップには悪そうな人たちがずっといて、そのままのかたちでメインストリームに行くようになってきてるでしょ。

──ロック本来のカウンターだったり、孕んでいた危うさが、ヒップホップに取って代わられている。

清春:だから、本当に言いたいことを言えない時代でもないんですよ。ロックだって言っていい。いつの間にか自主規制してますけど、やりたいことやっていいんです。“カッコいい!”っていう悪さはいい。どのジャンルでもね。シンプルに“わー、カッコいい!”って感じる刺激までなくして、丸くなることもないでしょう。

──分かります。

清春:たとえば、「いまだにタバコを吸ってるんですか?」って言われるんです(笑)。今やタバコを吸ってないほうがカッコいいみたいになってる。でもね、松田優作さんの映画を観て、タバコを吸ってる姿が滅茶苦茶カッコよくて、それに憧れてタバコを吸ってみるとか、最初は憧れから入るじゃないですか。カッコいい人がタバコを吸い続けている。その姿がカッコいいっていうのは、普通に必要だと思うんだよね。最近はそんなふうに思ってます。もはや僕らみたいに、長く残ってる人がやるしかない(笑)。

──なるほど。アルバム『ETERNAL』の背景がよく分かりました。ここからは、気になった曲についてもお聞かせください。「SAINT」と「ETERNAL」の2曲に関しては、たしかにMVを作りたくなるような存在感だと思いました。

清春:「ETERNAL」は最初から推してた曲です。曲ができた時から。僕が作れるなかでファンに一番近い曲で、レコード会社の人や僕に興味がない人が聴いても“あっ、この曲いいね”って言ってもらえるような。この間もNOBUYA (ROTTENGRAFFTY)くんが「この曲好きです」って言ってくれて嬉しかったな。2024年の今じゃなくて、僕がデビューしてから見てきた30年間の世に近いと思える曲ですね。

──<ROTTENGRAFFTY 25th Anniversary "Blown in the Reborn Tour">の水戸LIGHT HOUSE公演(2月22日)に清春さんが参加したり、NOBUYAさんとは3月24日に金沢vanvanV4で、能登半島地震被災地支援のチャリティライブ<能登半島地震 CHARITY UNPLUGGED LIVE『KNOW –We Will Never End-』>を開催したり。

清春:はい、そのロットンのツアーに出たとき、僕の曲順をNOBUYAくんが決めてくれたんだけど、まだリリースしてない「ETERNAL」が入ってて嬉しかったし、SNSとかオンラインサロンを見ても、“この曲、好きです”とか“泣いちゃう”っていう感想が多かったかな。MVでいうと、「SAINT」はとにかくカッコよくしたかったんですよね。

──アルバムを通して聴くと、はっとする瞬間が何回も訪れます。たとえば「砂ノ河」には、今作トップクラスの情念を感じました。清春さんの歴代曲でいうと「LAW’S」系だと思ったんですよ。これこそ今回の楽器編成のなせる業だったりするのかなと。

清春:「砂ノ河」は昨日、車の中で聴いてて、“歌、すごいな”と思った(笑)。

──歌の聴こえ方にかなり気を配ったアルバムですか?

清春:まあ、そうかも。歌のためにドラムとベースがいないっていうのはあります。ぶつかり合ってどっちかが聴こえづらくなる楽器に関しては、もう入れないんですよ。でも、まだいるんだよね。アコギのストロークのときの弦がこすれるキッて音とか、シンバルやスネアのパーンっていう一瞬の響きとか。たまたまその音にかぶって歌が聴こえなかったりするときがあって。そういうのはかなり削ぎ落としてます。ただ、皆さん歌のグルーヴを大事に演奏してくれてるので、その感じは削ぎ落とさずに、ちゃんと残してます。

■ミュージシャンって結局旅人なんです■生きることをツアーで実践して30周年

──アルバム中盤から終盤にかけても驚きっぱなしでした。「FRAGILE」から「鼓動」へと至る感動には特筆すべきものがあります。そんななか、「狂おしい時を越えて」や「sis」のメロディには清春さんのメロディだなと感じました。

清春:ですよね。でも、全部僕だとは思うんですけど(笑)。

──(笑)。たとえば「sis」は、子守歌のような可愛らしいメロディ。これまでの曲でいうと「瑠璃色」「TWILIGHT」「三日月」あたりのロマンチックな作風にも通じるものがあるなと。

清春:ああ、そうかも、「MOMENT」とか。僕の曲のなかでは上手く言えないけど、ちょっと魔法っぽいやつですね。女の人はいつまでも乙女っぽいっていうのは実は大事よね。生きてく糧というか、魔法みたいな世界っていう感じがする。そういうふうになってもいい世界。

──そして最後は「鼓動」でガツンと。アルバムの構成が巧みです。

清春:だけど、今の人はそういうふうに音楽を聴かないもんね。頑張って曲順を考えてるけど、アルバム単位で聴いてくれないじゃないですか。だから、本当にファンの人向け(笑)。

──最初から最後まで一気に聴きたくなるアルバムですよ。「ETERNAL (reprise)」の余韻も絶品です。この曲を入れると入れないとではアルバムの印象もガラッと変わるのではないかと。

清春:そうですね。“もう一回、最初から聴こう”みたいな。まあ、『ETERNAL』っていうアルバムだから。なんていうのかな、今回のアルバムは音像が意外と洒落てるじゃん。

──シティポップ的な側面もあります。

清春:大人な面もあるけど、やってることははみ出してる。時代に沿ってるけど、全然沿ってないところもあっていいと思うんだよね。もしかしたら、僕らが死んで、たまたまファン以外の人もアルバム単位で聴いてくれるときがあるかもしれない。今はファンの人たちの意識の中でストーリーが生まれればと思って曲順を考えてますけど、僕らがいなくなった後に、アルバム単位で聴いてくれる人が現われるかもしれないとも思っていて。

──それも永遠ですね。さて、2024年から2025年にかけて、現在まで60本を超えるライヴ<debut 30th anniversary year TOUR 天使ノ詩『NEVER END EXTRA』>の開催が発表されています。

清春:清春としては過去最大のツアーです。30周年は一回しかないからね。このぐらいの歳になってくると、5年後ってもうわからない。20代だったら5年後は見えますけど、僕らの歳ではわからない。自分が今までやってきたことを回収するっていう意味合いもあるし、挑戦もある。そんなチャレンジを大事にしていきながら、“思い出組”と僕が呼んでる人たちの喜びも満たすというツアーですかね。

──なるほど。

清春:僕の現行ファンは、日本という土地の中であればどこでも来てくれるんです。ファンってそれに尽きる。でも、現行ファンではないけど、僕のヒストリーの一部を好きな人もいる。30周年だから、だいたいを網羅できればいいと思ってて。もちろん、現行ファンの人たちがいかに満たされるかが一番大事。

──はい。

清春:それをバンド単位の復活でやるのか、清春の30周年を祝うなかでやるのか、その違い。ツアー日程を全部一緒に発表したのも、SADSだけやるとか、黒夢だけやるっていう感じではなくて、“もうそろそろ、みんなわかるよね?”っていう。

──なるほど、SADSも黒夢もこの本数であることに納得しました。

清春:SADSも黒夢も、当時のメンバーと久しぶりに一緒にプレイしたいし。SADSに関しては、メンバーも当時とほぼ同じで再生する(<SADS 1999-2003>/<SADS 2010-2018>)んですけど、僕の活動を現行ファンの人たちがずっと続けさせてくれたから起こせることなんで。

──ファンに感謝ですし、ファンは清春さんに感謝です。

清春:全部ずっと追いかけてくれてる人たち、この5年から10年を支えてくれてる人たち…最近は“コロナ以降”という言葉が強いのかな。どのアーティストも言いますけど、観に来るファンの人たちの熱心さがコロナで変わったとは思うんですよ。全部合わせると約60本ですけど、何があったって来る人は来る。でも、ほぼ土日だけなんで、昔のツアーと比べたら、僕自身だいぶ楽なわけ(笑)。こういうツアーをしてると、平日は一瞬で終わっちゃう。ツアー先から一旦戻って、ボンヤリしてるうちに声が治って、グッズのこととか、移動行程とか話してるうちに、次のツアー先へ。

──始まったと思ったら、あっという間に終わってしまうんでしょうね。

清春:10年ぐらい前の黒夢ツアーのときも言ってましたけど、今回で最後になる街はあると思いますからね。細かく廻ろうと思ったのは、そういうのもある。もちろん、そうならないといいけどね。でも地方に行って実感するのは、昼も夜も人が歩いてないんですよね。ということは、音楽を聴く層も減ってるってこと。この間行った福岡駅が異常に混雑してて、まだコンサートやっていいんだと思った(笑)。本当に人がいない街ってあるからな。

──そんな街にもこの『ETERNAL』を携えて行けば…。

清春:んー、まぁ難しいだろうね。“流し”とかライヴが終わった後にストリートで歌うでもしないと。この間の福岡でやろうとしたけど、寒すぎてやめました(笑)。

──ははは。

清春:Borisとのオーストラリアツアーも含めて、今回のツアーは自分たちのなかで思い出も確認したいというかね。若ければ海外や地方にまた行けると思うけど、もう行けないかもしれないから。定年後の夫婦が一緒に旅行に行く感じじゃない? 現行ファンはそういう気持ちで一緒に廻ってくれるんだろうし、部分的に来たい人はそれでいいと思います。ミュージシャンって結局、旅人なんですよね。音楽やりながら旅をする。生きるっていうことをツアーで実践して、今年で30周年。今回は本数も多いし、内容もいろいろ種類がありますけど、旅ができなくなったら終わりですかね。

──トラベリングバンドですね。

清春:ファンの人からしても、毎週末、旅ができるのって素敵じゃないですか。ライヴという目的があるうえで、昼間は何か食べたり、いろんなところに行ったり、終演後もご飯を食べに行く。最高じゃないですか。その土地の気分に浸って、同じ感覚を持ってる友達と、僕らのことだけじゃなくて自分たちの人生とか好きな映画のこととかいっぱい話して、時を忘れる。これってすごく良いのよ。僕もそれをやりたい。ファンの人にもやっておいてほしい。

──それこそ、素敵な“ETERNAL”が生まれますね。

清春:僕はリハーサルとか仕込みの時間があるから、早く会場に入らなきゃいけないけど、本当はファンの人たちとも話したい。仕事じゃなければ、一緒に廻りたいぐらいです。黒夢やSADSとかバンドに関しては、やるからには今できるベストで、若い頃に負けないようにやります。負けますけどね、絶対(笑)。僕らも年食ってるけど、当時のファンの人たちはもっと年食ってるから。まぁ、良い30周年にしたいなと思ってます。

取材・文◎志村つくね

■11thアルバム『ETERNAL』

2024年3月20日(水)発売
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】
YCCW-10423/B 8,250円 (税抜7,500円)
仕様:スリーブケース
https://www.yamahamusic.co.jp/s/ymc/discography/1161
【通常盤(CD)】YCCW-10424 3,300円 (税抜3,000円)
https://www.yamahamusic.co.jp/s/ymc/discography/1162
配信リンク:https://kiyoharu.lnk.to/eternal

▲初回限定盤

▲通常盤
▼Disc-1 (CD) ※初回限定盤・通常盤共通 ※全14曲収録
01. Carnival of spirits
02. SAINT
03. RUTH
04. ETERNAL
05. 霧
06. SWORD
07. ロープ
08. Interlude by DURAN
09. 砂ノ河
10. Interlude by タブゾンビ (SOIL&“PIMP”SESSIONS) & 栗原健
11. DESERT
12. FRAGILE
13. Interlude by 栗原健
14. 狂おしい時を越えて
15. sis
16. 鼓動
17. ETERNAL (reprise)
※Interlude除く全14曲収録
※作詞・作曲:清春
▼Disc-2 (Blu-ray)
「SAINT」Music Video
「ETERNAL」Music Video
Music Video Making Movie
<The Birthday>@恵比寿ガーデンホール (2022.10.30)
赤の永遠/アモーレ/グレージュ/悲歌/アロン/美学
<下劣>@Zepp Shinjuku (2023.04.26)
少年/アモーレ/ガイア/妖艶/MARIA

■「ETERNAL」「SAINT」先行配信

▼「ETERNAL」先行配信
2024年3月6日(水)配信開始
ダウンロード配信:¥238円(税抜) ほか
・iTunes Store / レコチョク / mora / Amazon ほか
・Apple Music / LINE MUSIC / YouTube Music / Amazon / Spotify / AWA ほか
配信リンク:https://kiyoharu.lnk.to/eternal_sg

▼「SAINT」先行配信
2024年2月9日配信開始
ダウンロード配信:¥238円(税抜)ほか
・iTunes Store / レコチョク / mora / Amazon 他
・Apple Music / LINE MUSIC / YouTube Music / Amazon / Spotify / AWA 他
配信リンク:https://kiyoharu.lnk.to/saint

■『ETERNAL』CD先着購入特典情報

下記のCDショップでご購入のお客様に、オリジナル特典を先着にてプレゼントします。
※特典は先着となり、無くなり次第終了となります。また、一部実施のない店舗もございます。また特典の内容等が変更になる場合もございますのであらかじめご了承ください。
▼特典内容①
「アクリルキーホルダー」
※初回盤、通常盤共通の特典となります。
※対象店舗:タワーレコード限定(オンラインショップ含む)
▼特典内容②
「メガジャケット」
※対象店舗:Amazon
▼特典内容③
「クリアファイル(A4サイズ)」
※初回盤、通常盤共通の特典となります。
※対象店舗:HMV&BOOKSなどの全国のCDショップ、楽天BOOKS、セブンネットショッピングなどのWEBサイト、CDの取り扱いがある家電量販店や書籍店、コンサート会場でのCD販売など。
※タワーレコード、Amazonは対象外となります。
https://www.yamahamusic.co.jp/s/ymc/news/detail/1454

■『ETERNAL』リリースイベント

2024年3月27日(水) 20:00スタート ※60分程度予定
対象店:HMV&BOOKS online ※参加受付中
▼イベント内容
・清春トーク&ミニライブ(オンライン配信)
※配信でのイベントになります。
アーカイブ配信:2024年3月28日(木)12:00~4月4日(木)23:59
イベント限定特典:清春本人の抽選による「直筆サイン色紙」を抽選で10名様にプレゼント
ライブ配信媒体:WithLIVE
※対象期間内に清春ニューアルバム『ETERNAL』(初回盤または通常盤のいずれか1枚)を全額内金でご予約/ご購入いただいたお客様(ローソンWEB会員の登録が必要)に、本イベントをご視聴いただける「シリアルコード」をHMV&BOOKS onlineのマイページ上(お客様のアカウント)でご案内します。
https://www.yamahamusic.co.jp/s/ymc/news/detail/1479

■『ETERNAL』リリース記念オリジナルグッズ

ニューアルバムのリリースを記念して、数量限定のオリジナルグッズ、グッズ付CDを期間限定で発売します。
グッズ発売日:2024年03月20日(水)
注文受付期間:2024年02月01日(木)~2025年03月31日(月)
▼発売商品
①屏風 ETERNAL<四曲>(A2相当サイズ)
②屏風 ETERNAL<二曲>(A3相当サイズ)
※上記2点には本人の直筆のサインが入ります。
③ダブルアクリルスタンドパネル ETERNAL【サイン入り】
④ビッグシルエットTシャツ<ブラック/スモーキーピンク>(サイズ:M/L/XL)
https://ymh.jp/kiyoharu-eternal

■<debut 30th anniversary year TOUR 天使ノ詩『NEVER END EXTRA』>

03月25日(月) 東京・代官山UNIT
04月11日(木) 東京・Shibuya Pleasure Pleasure
04月25日(木) 東京・Shibuya Pleasure Pleasure

▼<HEAVY ROCK BREAKFAST JAPAN TOUR 2024>
04月27日(土) 神奈川・横浜BayHall ※Boris×KIYOHARU ※公演中止
04月28日(日) 神奈川・横浜BayHall ※Boris×KIYOHARU ※公演延期
04月29日(月/祝) 大阪・SHANGRILA ※Boris×KIYOHARU ※公演延期
※日程調整出来次第、延期公演開催検討

04月28日(日) 神奈川・横浜BayHal ※公演内容変更 / Borisの出演はございません
04月29日(月/祝) 大阪・SHANGRILA ※公演内容変更 / Borisの出演はございません

05月04日(土/祝) 東京・Veats Shibuya
05月06日(月/祝) 神奈川・Billboard Live Yokohama
05月17日(金) 大阪・Billboard Live Osaka
05月24日(金) 東京・Billboard Live Tokyo
06月08日(土) 静岡・浜松Live House窓枠
06月09日(日) 岐阜・Club Roots
06月15日(土) 山梨・KAZOO HALL

▼<SADS 1999-2003>
06月29日(土) 東京・Zepp Haneda
06月30日(日) 東京・Zepp Haneda
▼<SADS 2010-2018>
07月07日(日) 東京・GARDEN新木場FACTORY

07月13日(土) 愛知・名古屋BOTTOM LINE
07月14日(日) 三重・M‘AXA
07月20日(土) 石川・金沢EIGHT HALL
07月27日(土) 茨城・水戸LIGHT HOUSE
08月03日(土) 宮城・仙台darwin
08月10日(土) 千葉・柏PALOOZA
08月11日(日) 千葉・柏PALOOZA
08月17日(土) 埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心
08月18日(日) 埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心
08月24日(土) 北海道・札幌PENNY LANE24
08月31日(土) 長野・CLUB JUNK BOX
09月05日(木) 東京・新宿ReNY <ReNY 10th Anniversary>
09月08日(日) 栃木・HEAVEN‘S ROCK宇都宮VJ-2
09月14日(土) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
09月15日(日) 兵庫・KOBE太陽と虎
09月22日(日) 和歌山・CLUB GATE
09月23日(月/祝) 大阪・OSAKA ESAKA MUSE
09月28日(土) 青森・Quarter
09月29日(日) 岩手・盛岡CLUB CHANGE WAVE
10月05日(土) 大阪・難波Yogibo META VALLEY
10月06日(日) 静岡・LIVE ROXY SHIZUOKA
10月12日(土) 滋賀・U★STONE
10月13日(日) 京都・KYOTO MUSE
10月27日(日) 東京・恵比寿ザ・ガーデンホール <The Birthday>
10月30日(水) <FC INOS MEMBERS ONLY>
11月03日(日) 茨城・水戸LIGHTHOUSE
11月04日(月/祝) 茨城・水戸LIGHTHOUSE
11月08日(金) 愛知・名古屋MUSIC FARM
11月09日(土) 愛知・名古屋MUSIC FARM
11月10日(日) 愛知・名古屋MUSIC FARM
11月16日(土) 群馬・HEAVEN‘S ROCK熊谷
11月17日(日) 群馬・HEAVEN‘S ROCK熊谷
11月23日(土) 神奈川・横浜BayHall
12月01日(日) 神奈川・川崎SUPERNOVA
12月14日(土) 愛媛・松山WstudioRED
12月15日(日) 香川・高松MONSTER
12月21日(土) 福岡・BEAT STATION
12月22日(日) 鹿児島・CAPARVO HALL
12月29日(日) 東京・渋谷CLUB QUATTRO
12月31日(火) 愛知・名古屋ダイアモンドホール
▼2025年
01月08日(水) 東京・新宿LOFT
01月12日(日) 大阪・GORILLA HALL

▼<黒夢>
02月09日(日) 東京ガーデンシアター

関連リンク

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