恐怖が支配、モスクワの乱射テロ 悲鳴に混乱、横たわる遺体

銃乱射テロの現場となったモスクワ郊外のコンサートホール=23日(タス=共同)

 6千人収容のコンサートホールを恐怖が支配した。22日夜、モスクワ郊外で発生した銃乱射テロ。自動小銃の無差別発砲を受けた人々は逃げ惑い、悲鳴を上げた。ホールの入り口には銃弾を受けた複数の遺体が横たわる。爆発と火災も発生し、ガラス張りのホール上階は激しく燃えて夜空に黒煙が上がった。「大混乱で悲惨だった。本当に怖かった」。逃げ延びた人は声を震わせた。

 乱射はソ連時代から活動する人気ロックバンド「ピクニック」の公演直前に発生した。実行犯はためらうことなく発砲を始めた。

 観客が投稿した動画は、銃声を聞いて人々が逃げ出す様子や銃声が響くロビーでソファの後ろに身を隠す人、逃げ道を探す人の混乱ぶりを映し出した。

 やけどを負い搬送された女性は「犯人は出口に立ち人々に発砲し始めた。床に倒れたふりをし、床をはって外に出た」と恐怖の体験を語った。(共同)

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