「後味の悪い負け方」歴史的快挙迫る千秋楽直前“問題児”力士が見せた動きに相撲ファン「興ざめ」のため息

大阪場所14日目、琴ノ若(左)に敗れた豊昇龍(写真・共同通信)

3月24日に千秋楽を迎える大相撲大阪場所。優勝争いは、2敗の尊富士(前頭17)と3敗の大の里(前頭5)に絞られた。新入幕の尊富士と入幕2場所めの大の里。どちらが優勝しても、記録づくめの快挙となる。

そんな新鋭力士に注目が集まるなか、相撲ファンが眉をひそめる一番があった。14日目の結び、琴ノ若と豊昇龍の大関対決だ。

「尊富士が朝乃山に負けた時点で、星2つの差で追う大の里と豊昇龍にも優勝の可能性が残されました。しかも尊富士は朝乃山との一番で右脚を負傷。車椅子で花道を引き揚げたほどで、千秋楽は相撲を取れるかさえわからないという状況です。

続いて土俵に上がった大の里は、あっさりと阿炎を退け、優勝戦線に踏みとどまりました。

そして問題が結びです。豊昇龍は、負ければ優勝の可能性がなくなります。そんな大事な一番、新大関の琴ノ若を相手に、どんな相撲を見せるのか――注目の一番でしたが、豊昇龍は立ち合いで右に動いたのです。強引に上手投げにいこうとした豊昇龍ですが、これが裏目に出て、あっさりと琴ノ若に寄り倒され、優勝争いから脱落しました。

優勝したい気持ちはわかりますが、あの立ち合いには興ざめした人も多いはずです」(相撲ライター)

その“負けっぷり”は、実況していたNHKの佐藤洋之アナウンサーも、思わず「作戦失敗でした」と口に出すほどだった。

この一番に、SNSでは

《豊昇龍上手狙いの変化かよ。優勝争いしてる大関がこんな作戦にでる?しかも琴ノ若に寄り倒しで負けるとは。悔しがるくらいならもっと色々できただろうに。後味の悪い負け方》

《豊昇龍は大事な場面で変化ばかりしていたら 上(横綱)はおろか、優勝は望めないよなぁ 今回は琴ノ若に変化も、投げも読まれてたね》

《豊昇龍の戦い方見てると 大関にしといて良いの?って感じる こういう相撲取ってたら横綱になる事は無いなって思う、、、》

など、厳しい意見が並んでいる。

「豊昇龍は10日目の結び、関脇・若元春との一番でも立ち合いで右に動いています。上手投げで勝ったものの、あっけない一番に館内はため息。審判長だった佐渡ヶ嶽親方も『後ろから“何だアレは”という声が聞こえてきた。大関らしい相撲を取ってほしい』と苦言を呈するほどでした。横綱・照ノ富士が7日目から休場し、大関陣に期待が集まるなかでのことですから、立場が分かっていないと言われても仕方がない」(前出・相撲ライター)

たびたび問題を起こす“トラブルメーカー”は、2023年九州場所では2分近く手をつかず、審判室に“呼び出し”を食らったこともある。

千秋楽、世間は新鋭力士の快挙に沸くだろうが、熱心な相撲ファンはこんな一番があったことを忘れないはずだ。

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