ひろゆき氏の妻・西村ゆか、頑なすぎる夫を変えた巧みな操縦術「人としてまっとうになってきました」

西村ゆか 撮影:有坂政晴 ヘアメイク:タナカミホ

論破王のひろゆきさんと、20年以上、寝食をともにしてきた西村ゆかさん。強烈に我が強い人物と過ごす日々は、ひと筋縄ではいかないことばかりだった。ゆかさん、そして2人の間に起きた、人生の「CHANGE」を聞いてみた。【第2回/全4回】

皿を洗わず3日間、放置

2004年にひろゆきさん(47)とつきあい始めた西村ゆかさん(45)。人からなにを言われようと自分を絶対に変えないイメージのあるひろゆきさんだが、一緒に暮らすことで、なにか変化はあったのだろうか?

「初期と比べると、だいぶ人としてまっとうになってきましたね」

まっとう、とは……?

「たとえばごはんを一緒に食べると、平気でそのままお皿を放置してカピカピになっていたんです。今はそういうことはしないで、食べ終わったら流しに持っていって、すぐ洗えないときは水をかけておくようになりましたね」

それは、ゆかさんが言ったから?

「最初は早く洗いものしちゃいなよって言ったら、“僕は僕のタイミングで洗うから”って言われて。私は食べたらすぐ洗う、片付いた状態が好きなんですけど、確かにすぐに洗わなくてもいいよなって。じゃあ、僕のタイミングっていうのはいつなんだろうと思って、そのまま放置していたら3日、そのままだったんです」

タイミングはまだ来なかったのだ。

「そのときは見ているだけでつらくなってきて、自分だったらすぐ洗うのに、どんどんお皿が乾いて洗いづらくなってくるから。もうつらくて見ていられなくて、自分で洗っちゃったんです」

そんなひろゆきさんは、どうして変わったのか?

理屈で説いてその後で褒める

「ただ、早く洗いなよとか、自分のタイミングを彼に押しつけるから、解決しないのかもって思ったんです。それで今度は、“食べ終わったお皿は、水につけておくと時間がたっても洗いやすいんじゃない?”って、言い方をしたんです。
これって、なにも間違っていないじゃないですか。そうしたら、彼はなにも反論せずに素直に聞いてくれたんです。そこからだんだん、お皿を水につける頻度が高くなって。今度は、“すごい、たまにでいいから、洗ってくれたらうれしいなって言うようにしたら、たまに洗うようになってくれたんです。そうしたらさらに、“洗ってくれたのー、ありがとう”って言って、“私、コーヒー入れるね”って喜んだら、まんざらでもない感じになって、ちょっとずつ洗ってくれる頻度があがっていったんです」

まずは理屈で納得してもらう。その後にほめて継続するようにする。

「こうすればいいでしょ、みたいにこっちの考えを押しつけると、彼もなにか言ってきますけど、こちらに筋が通っていたら、基本、反論はしない人なんですよ。あと、褒められるとうれしいタイプなんですよ。褒めたら伸びる子なんですね」

ひろゆきさんがお皿を洗うようになるまで、ゆかさんは相当な苦労を重ねてきたのだ。

ひろゆきプロジェクトは進行中

しかし、そんな苦労をせずに、自分でやってしまうという手もあったのでは?

「たぶん長く一緒にいるとなると、変わってもらわないと困るのは自分だと思ったんですよ。介護が必要な年齢になったら、夫婦のどっちかが必ず大変な思いをするじゃないですか。そうなったときに、家事とかよけいなことで苦労したくないし、今できないことを少しでもできるようにさせたかったんです。そのプロジェクトは今も進行中です。だから、20年っていう時間で見ると、彼はすごくいろんなことができるようになっているんです」

一方で、ひろゆきさんが変わらないのは、出不精なところ。フランスに移住してから、ますます家にこもることが多くなったという。

「家が大好きで、家でダラダラしてゲームできたら幸せみたいな感じの人なので。フランスにいると、打ち合わせとかも全部、オンラインでできてしまうので、いつも家にいるなぁって感じですね。私的にはいようといまいとどっちでもいいんですけど、あまり家にいすぎると、健康に良くないんじゃないかなとは思いますね」

ゆかさんの心配はつきそうにない。

西村ゆか(にしむらゆか)
1978年東京都生まれ。インターキュー株式会社(現GMOインターネット株式会社)、ヤフー株式会社勤務を経て独立。現在はフリーのWEBディレクターとして活動。2008年に西村博之(ひろゆき)と結婚式を挙げ、2014年に入籍してフランスへ移住。著書は『だんな様はひろゆき』(原作・西村ゆか/漫画・wako)。近著は(徳間書店)。

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