【3月24日付編集日記】楽しい顔

 子どもの顔は正直である。不安いっぱいの表情が興味津々の目つきになり、程なく楽しさ満面に。ベースボールアカデミー福島が4月に郡山、福島の両市で開講する少年野球スクール「BAFジャイアンツアカデミー」の体験教室でコーチ陣の掌握術に驚かされた

 ▼楽しくなければ続かない。幼児から少年へ、段階に応じた楽しさを教え、競技への意欲を絶やさずに育む。自分の子育て時代に出合っていれば違った世界を見せてやれたかと、わが子には申し訳ない思いすらした

 ▼大人の顔も内面まで写したいと記者やカメラマンは思う。立候補時はこれでもかと笑顔だが、不都合な答弁では木で鼻をくくったように一変。しかし有権者は見抜いているぞと思いを込めてシャッターを切るのだ

 ▼新聞に顔写真が並ぶ季節だが、気がかりが増した。自治体幹部に覇気のない表情が散見されるのだ。役所の写真提供に注文は付けないまでも、行政を託す住民はそこに未来を探る。先を見通すような目力が欲しい

 ▼公立校の教員異動発表も近い。難路を乗り越えてきた校長ほど顔に自信が浮かぶ。だからこそ期待しよう。激しく変わる社会の中でも、子どもたちの楽しい顔がいっぱいになるようにと。

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