関東大震災の石碑や遺構、各地に 県ウェブサイトに特設ページ「神奈川震災記念館」

関東大震災の石碑や遺構などを紹介している特設ページ「神奈川震災記念館」

 神奈川県内に残る関東大震災の石碑や遺構を紹介する特設ページ「神奈川震災記念館」が、県のウェブサイトに開設されている。掲載地点はまだ一部にとどまるが、県は新年度以降、市町村や専門家の協力を得ながら内容の拡充を図る方針だ。

 震災で震度7相当の激しい揺れと大火、土砂災害、津波などに見舞われた県内には、当時の記憶が残る現場や慰霊碑、復興遺産が今も各地に存在している。

 震災100年の記念事業として昨年公開した特設ページでは、このうち30カ所を写真や地図で示し、碑文などの内容を説明。大火で焦土と化した県庁(横浜市中区)周辺では、4万人以上が逃げ込んだとされる横浜公園、がれきを埋め立てて整備した山下公園、大勢が犠牲になった横浜地裁の慰霊碑などを取り上げている。相模原市緑区の地震峠や横須賀市の港町公園、寒川町の寒川神社、秦野市の震生湖、小田原の岩泉寺などもあり、震源地の県西部を中心とした被害や影響の広がりを知ることができる。

 震災当時と現在の姿を比較した今昔写真コーナーのほか、被災状況を記録した資料や参考図書の目録も示した。県は「地震に対する備えの啓発や教材などとして活用を促していきたい」としている。

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