開幕直前!「パ・リーグ」順位予想...「黄金時代」オリックス4連覇を阻むチームはどこだ/セ・パ4球団コーチ歴任の識者が予想

プロ野球の2024年シーズンが3月29日に開幕する。

パ・リーグはリーグ4連覇を狙うオリックスが、ホーム京セラドームでソフトバンクを迎え撃つ。ロッテは日本ハム、楽天は西武をそれぞれホームで対戦する。黄金時代を迎えつつあるオリックスの連覇なるか。

J-CASTニュースは、楽天の元ヘッドコーチで西武、巨人、ヤクルトのコーチを歴任したオイシックス新潟アルビレックスBC監督の橋上秀樹氏(58)に順位予想をしてもらった。

「西武はソフトバンクに引けを取らないくらい先発の駒が豊富」

橋上氏が1位に予想したのは、ソフトバンクだ。

23年シーズン3位に終わったソフトバンクは、オフに西武からフリーエージェント(FA)となった山川穂高内野手(32)を獲得するなど積極的に戦力補強を行った。橋上氏は、山川の加入はチームに大きな影響を及ぼすとし、4年ぶりのリーグ優勝を予想した。

西武のコーチ時代に山川を指導した経験を持つ橋上氏は、24年シーズンの山川について次のように分析した。

「山川選手はオープン戦でもかなり状態がよさそうな感じでした。今年にかける並々ならぬモチベーションが今の時期から現れていると思いますので、今シーズンはかなり期待できるでしょう。山川選手の周りを固めるであろう、柳田(悠岐)選手と近藤(健介)選手の状態がよいので、相手ピッチャーは山川選手ひとりに集中するということができない。この2人がいることで、山川選手を歩かせるわけにはいかない状況になり、ストライクゾーンでの勝負が増える。そうなると、打てる確率が上がり、山川選手にとってプラス要素になる」

投手陣に対する評価も高く、投打にわたって安定感があるとした。橋上氏の見解はこうだ。

「ピッチャーは先発を含め実績のある投手がけっこういる」「投打ともに安定しリーグで1番バランスがよい。先発、中継ぎがある程度枚数がそろっていて充実している。なかには、調整が遅れているピッチャーも見られるが、だいぶ整備が進んでいるように見えます。森(唯斗)投手(現DeNA)を戦力外にするくらいですから、球団としても戦力的な厚みを自覚していると思います。今シーズンから監督が代わることがプラスとして出ると思います」

2位は西武を予想した。

西武は23年シーズンは5位に沈んだが、チーム防御率はオリックスに次ぐ2位(2.93)と投手力の高さを見せつけた。得点力が大きな課題となるが、橋上氏は投手力を高く評価し、大幅な順位アップを予想した。

「西武はソフトバンクに引けを取らないくらい先発ピッチャーの駒が豊富です。高橋(光成)投手、今井(達也)投手、隅田(知一郎)投手の3枚に加えて、平良(海馬)投手、松本(航)投手らがいます。先発はぱっと数えただけでも6枚から7枚います。ピッチャーの充実ぶりはソフトバンクと同じくらいだと思います。ただ、ソフトバンクとの違いは攻撃力で、明らかに劣ります。この点がソフトバンクに届かない理由のひとつだと思います。とはいえ、3位以下と予想したチームと比較すると、投手力の優勢は間違いないと思います」

「オリックスは連覇に向けて陰りが見える」

3位はリーグ3連覇中のオリックスだ。

オフにチームの大黒柱である山本由伸投手(25)がポスティングシステムを利用して、大リーグのロサンゼルス・ドジャースに移籍。国内では山崎福也投手(31)がFA権を行使し、日本ハムに入団した。昨シーズン、16勝の山本と11勝の山崎が抜けた穴をどう埋めるかが連覇への課題となる。

橋上氏は

「連覇に向けて陰りが見える。山本由伸投手と山崎福也投手が抜け、他のピッチャーが何人か出てきましたが、2人の穴が埋まるかといえば埋まらないと思います。中心的なピッチャーが抜けると、まわりにかなりマイナスな影響が出てしまう。野手陣に関してはそれほど上積みがないと感じます。今年は今までの3年間に比べると、他のチームのプラスが見えるのとオリックスにマイナスの要素が多いと感じます」

と独自分析した。

4位は、2年連続最下位の日本ハムとした。オイシックス新潟アルビレックスBCを率いる橋上氏はオープン戦で日本ハムと対戦しており、日本ハムの勢いを肌で感じたという。

「日本ハムと直接対決して若い選手が伸びてきていると感じました。新庄(剛志)監督が就任してから連続で最下位になりましたが、新庄監督が我慢して起用してきた選手が1軍で使えるメドが立ってきた。ピッチャーは上沢(直之)投手(大リーグレイズとマイナー契約)が抜けましたが、山崎福也投手が加入したのは大きい。加藤(貴之)投手、伊藤(大海)投手もいますし、他の選手の伸びしろを考慮して4位に予想しました」

5位は楽天、6位はロッテと予想した。

楽天に関しては

「打つ方もピッチャーもよくないです。チーム全体に元気がないように見受けられます。松井(裕樹)投手と安楽(智大)投手が抜けましたが、これに対して効果的な補強をしたかといえばそうは見えません」

と分析した。

ロッテについては

「上位で戦える要素が見えない。オープン戦とはいえチーム防御率が4点台というのは問題だと思います。この時期は、ピッチャーの方がバッターよりも有利でなかなか打てないもの。その中でチーム防御率が4点台というのはかなり悪いと思います。12球団の中で抜けて悪い数字。現有で頑張ってもらわなければならないピッチャーの調子が悪いので深刻だと思います」

とした。

昨シーズンはオリックスの46年ぶりパ・リーグ3連覇だった。今シーズンはどのようなドラマが待っているのか。

プロ野球はセ・パ両リーグともに29日に開幕する。

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