竹田市の長湯温泉にくつろぎの空間 国東市の富重さんが喫茶店オープン【大分県】

長湯温泉街に喫茶店「タビノトチュウ」を開いた富重しほりさん。店内はくつろぎの空間が広がる=竹田市直入町
富重しほりさんが長湯温泉街に開いた喫茶店「タビノトチュウ」

 【竹田】県内各地を巡り「夏ノ庭珈琲(コーヒー)店」の名前でコーヒーを提供している国東市国東町の富重しほりさん(37)が、竹田市直入町の長湯温泉に喫茶店「タビノトチュウ」をオープンした。店内には古道具や木のぬくもりを感じさせる家具が置かれ、くつろぎの空間を演出。「観光客だけでなく、地元の人が『おはよう』とパジャマで来られる店にしたい」と語る。

 富重さんは国東市で育ち、飲食店やホテルで働いてきた。「コーヒーがある雰囲気、ゆっくりと進む時間が好き」と、2022年冬ごろから豆の焙煎(ばいせん)・販売を始めた。

 翌4月に同市の羽田海岸でテントを立ててコーヒーを販売したのを皮切りに、県北などで出店。イベントや知り合った人の店を借りて営業するようになった。

 長湯温泉での開店を決めたのは昨年夏。竹田市久住町で出店した後に立ち寄り、芹川そばの広場のベンチで夕暮れを眺めていた時、「ここで店を開きたい」と思い立った。同市は母の出身地で、昔ながらの温泉街の雰囲気が残る長湯には20代のころから訪れていた。

 ベンチ近くの店舗跡を借り、今年2月に同喫茶店をオープン。メニューはコーヒーの他、果物のシロップを使った飲み物、自身や国東、杵築両市の飲食店が作るスイーツなど。古本も並ぶ。

 富重さんは「自分がすてきと感じる物を紹介する空間にしたい。訪れた人が思わぬ発見をできる場所になれば」と話している。

 営業は不定期。店の出入り口の張り紙やインスタグラムで日程を知らせる。

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