九重町の冬景色、VR動画で楽しんで 高校生が360度カメラで撮影【大分県】

VRゴーグルを着けて動画を楽しむサロン参加者。赤峰りらさん(中央)らが撮影した=九重町

 【九重】九重町の風景をVR(仮想現実)で楽しめる動画「九重町移り行く景色 冬」ができた。町内の高校生が冬の観光地を360度カメラで撮影し、大分大の学生が編集した。企画した九重文化センターは「ネットで公開するなど町内外の人に見てもらい、町の魅力を発信したい」と話している。

 動画は約2分30秒。九重“夢”大吊橋(田野)を渡る臨場感たっぷりの場面をはじめ、くじゅう森林公園スキー場(湯坪)では雪合戦やそり滑りを楽しむ様子、やまなみ牧場(田野)では乗馬やヤギとの触れ合いを収めている。

 撮影したのは赤峰りらさん(16)=湯坪、玖珠美山高1年=ら。高校がない町内に住む高校生にまちづくりに参画してもらおうと、昨年発足した「ここのえ夢高校」の活動として、昨年12月に取り組んだ。編集作業は、同大理工学部音メディア処理研究室の学生が担当した。

 10日に同センターでお披露目会があり、関係者10人ほどが出席。完成した作品をVRゴーグルで視聴した。赤峰さんは「初挑戦だったけど、楽しくて勉強になった。予想以上のものができたので、九重を知らない人に見てほしい」。同学部4年の三苫歩夢さん(22)は「自然の美しさや楽しい雰囲気を表現できた。四季折々の続編を作りたい」と意欲を見せた。

 町内右田の下右田集会所でのサロンにも参加。集まった高齢者や子どもたちにゴーグルを着けて見てもらうと、「迫力がすごい」「目の前にあるみたいで不思議」と好評だった。

 動画は高齢者が集まる会合などで見てもらうほか、動画サイトでの公開も検討している。文化センターは「今後は外出の難しい施設入居者の希望を聞いて懐かしい風景を撮影するなど、VRならではの臨場感を生かした動画を考えたい」と話している。

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