オリオールズ元オーナー ピーター・アンジェロス氏が94歳で死去

日本時間3月24日、オリオールズの元オーナーであるピーター・アンジェロス氏が94歳で死去したことが明らかになった。アンジェロス氏が率いる投資家グループは1993年10月に当時のスポーツ史上最高額でオリオールズを買収。近年は健康問題によって役割が減少していたものの、今年1月にデービッド・ルーベンスタイン氏が率いるグループへの球団売却が合意に至るまで、20年以上にわたってオリオールズの筆頭オーナーであり続けた。

アンジェロス氏の死去を受け、MLB機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーは「ピーター・アンジェロス氏はボルティモアの誇り高き地元民であり、ボルティモア・オリオールズのオーナーであることを深く愛していた。ピーターは労働委員会のメンバーとしてMLBに貢献し、2014年に私がコミッショナーに選出されたときの彼の個人的な支援は忘れられない」との声明を発表。アンジェロス氏の体調が悪化したあとは2人の息子がオリオールズのオーナーとしての業務を分担してこなしていた。

アンジェロス氏がオリオールズのオーナーとなったのは、史上最も苛烈な労使交渉の真っ最中だった。選手会による長期ストライキが1994年8月からスタートし、オーナー側は選手会に属さない「代替選手」を起用して1995年のレギュラーシーズンを開幕させることを画策。このプランにブルージェイズとともに反対したのがアンジェロス氏だった。「代替選手」でシーズンが始まってしまうと、オリオールズの名選手、カル・リプケンJr.の連続試合出場記録がストップしてしまう。オリオールズを愛しているからこその行動であったことは想像に難くない。

アンジェロス氏が筆頭オーナーの座にいた20シーズンで、オリオールズはワールドシリーズ制覇を果たすことはできなかったものの、3度の地区優勝(1997年・2014年・2023年)と6度のポストシーズン進出を達成。2017年以降は厳しい戦いが続いたが、チーム再建が着実に成果を出し始めており、2021年の52勝から2022年は83勝と大きくジャンプアップし、昨季はリーグ最多の101勝を挙げた。アンジェロス氏の在任期間に蒔かれた種は、今後の黄金期につながっていくはずだ。

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