レッドブル顧問も「信じられないパフォーマンス」と絶賛! 予選8番手の角田裕毅に専門メディアは「予選で一貫してリカルドより優れている」【豪州GP】

F1第3戦のオーストラリア・グランプリは3月23日に予選が行なわれ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅はサウジアラビアGPに続いてQ3進出を果たし、今季最高の8番手につけている。

初日から好調ぶりを見せていた角田は、フリー走行3回目では19周回を重ねて全体11番手となる1分17秒673を記録。そして迎えた予選、Q1では1分17秒356で7番手に入って通過すると、Q2も9番手となる1分16秒791でクリア、そしてQ3もラストアタックで1分16秒788を計測し、アストンマーティン勢を抑えて8番グリッドを手にした。

自身のSNSに「(アルバート)パークでの良い1日」と投稿した彼は、チームの公式サイトを通して「チームと自分自身のパフォーマンスに非常に満足しています。週末を通して、とても安定している車を与えてくれたチームには、本当に感謝しています」と語り、以下のように続けている。

「全部のセッションで、容易に適応して自信を得られたので、クリーンラップを走ることができたと思います。各コーナーで1000分の1秒を削り、パフォーマンスを最大限に引き出せました。ウィリアムズや他のチームがQ1でより良いタイムを出していたので、Q3進出や8番グリッドというものは期待していませんでした。とても嬉しいです。これは今季最高の予選ポジションであり、チームの熱心な取り組みを反映しています」

「ダニエル(・リカルド/Q1のラストアタックがトラックリミットで無効となり18番手)も速いペースを見せていたので、彼の結果は少し残念ですが、明日どうなるかを見てみましょう。簡単ではありませんが、クリーンなレースをし、できる限りのことをして、ポイント獲得を目指します!」

また、F1公式サイト『F1.com』のインタビューでは、決勝に向けて「必要なのは、ミスをせず、クリーンなレースをするために集中することです。直近の2レースは非常にフラストレーションが溜まるものだったので、それが今、我々に必要なことであり、最初のステップです。もし、全てをまとめることができれば、おそらくポイントを獲得できると思います。ここでは、昨季のようなことが起こる可能性があります」と、混沌のレースの末に繰り上げで10位入賞を飾った昨季の再現の可能性にも言及した。
RBはSNSで「ユウキの素晴らしい予選」と日本人ドライバーに賛辞を贈り、レーシングディレクターのアラン・パーメインは、リカルドの結果に対して失望を表わすとともに、角田については「彼がQ3に進出したことには非常に興奮しており、嬉しく思う。予選8番手は驚くべき結果だ。それは、チームが冬の間にずっと努力してきたことの証であり、またアップデートの成果でもある」と、こちらも満足感を示している。
また、レッドブルのヘルムート・マルコ顧問は、オーストリアの放送局『Servus TV』で、「ユウキは再びトップ10に入った、それは信じられないパフォーマンスだった。彼は常にそのポジションにいて、ミスなく走った。決勝では、今度こそポイント圏内に入れることを願っている。前の2レースでもそうだったが、スピードはあるのだから。そうなれば、素晴らしいことだ。なぜなら、トップ5のチームは非常に強力であり、そこに割って入れれば、それは信じられない成果だ」と、角田の予選を絶賛した。

『F1.com』は、「角田は好調な予選を過ごし、メルセデスの両ドライバーを抑えてQ3に進出し、RBを8番グリッドに並べた。つまり彼は、これまで8回優勝しているチームメイトより10グリッドも前でレースをスタートすることになる」と伝えている。

各国の専門メディアの報道では、フランスの『NEXTGEN-AUTO』が「角田は予選で素晴らしいパフォーマンスのひとつを達成し、RBとして8番手につけた。日本人ドライバーは、自身の結果に驚いたことを認めている」と賛辞をまじえて、オーストラリアでの2日目を振り返った。

一方、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「Q2で素晴らしいタイムを叩き出した角田は、予選最終ラウンドに進出し、決勝は8番グリッドからスタートすることに成功した。これは、彼が目指していたトップ10入りに近づくための重要な条件と言える。一方、リカルドの状況は厳しい。彼はまだ『VCARB01』に完全には適合しておらず、ホームサーキットであるにもかかわらず、18番グリッドからスタートすることになった」と、RBの両ドライバーの好対照ぶりを強調している。
最後に、オランダのF1専門サイト『GPBLOG』は、「角田は予選で8番手。18番手に終わったリカルドとは対照的に、日本人ドライバーは車からさらに多くのものを引き出すことに成功した。彼は予選で一貫してオーストラリア人ドライバーより優れているため、レッドブルがシートを与えることを検討してくれることを望んでいる」と報じた。
その中で同メディアは、角田の「彼らが(自身をレッドブルに昇格させることを)検討してくれることを願っています。同時に僕は、他のチームにもパフォーマンスを見せるため、できる限りのことをします。僕はただ、力強く戦えるドライバーとしての、自分の価値を高めたいだけです。レッドブルの状況は分かりませんが、彼らがそれを強く検討してくれればと思います」とのコメントを紹介している。

構成●THE DIGEST編集部

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