あっさり味のしょうゆラーメンが今どき550円…西出水駅近くの「ながみね」 福岡で感じた「人の情け」が味の原点

ギョーザとご飯が付くラーメン定食

 鹿児島県出水市の西出水駅から出水駅側へ3分ほど歩くと、「ながみね」の赤いのれんが見えてくる。カウンターとテーブルの16席が並ぶ店内は、昼食時には常連客らでにぎわう。

 店主の阿久津憲行さん(74)が妻の故郷に店を開いて33年。「貧しくて悲惨だった幼い頃を忘れてはいけない」と郷里の屋久島町の地名を店名にし、夫婦で切り盛りしている。

 味の原点は、若い頃に福岡で開いたラーメン店。納得する味を出せずに悩んでいた時、客から老舗のしょうゆ屋を紹介され、特製タレを作ってもらった。「初めて人の情けを感じた」。出水に開店後もしょうゆを取り寄せて使っている。

 豚骨やみそ味も売っていたが、今はあっさり味のしょうゆラーメン(550円)が中心。プラス100円の大盛りは近くの出水工業、出水中央、出水の高校生にも人気だ。ワカメスープ付きのやきめしセット(600円)、ギョーザ4個とご飯が付くラーメン定食(800円)もある。

 「人の恩を忘れずに、80歳までは続けたい」。電話0996(63)8373。午前11時~午後2時。月曜定休。

しょうゆラーメン、やきめしが人気の「ラーメンながみね」=出水市五万石町

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