往年の雄姿が復活 SLの修復作業終わる 倉吉

修復作業を終えて往年の雄姿を取り戻した蒸気機関車「C11-75」=23日、鳥取県倉吉市明治町2丁目

 鳥取県倉吉市明治町2丁目に展示され、劣化が進んでいた蒸気機関車(SL)の修復作業が終わり、往年の雄姿が復活した。23日に現地で完成式があり、関係者らはまちのシンボルとして愛され続けるとともに観光振興につながることを期待した。

 SLは1935年製の「C11―75」で、旧国鉄福知山線や境線で運行した。73年に社会教育の資料として同市が譲り受けて展示していたが、経年劣化により腐食するなどしていた。市は昨年8~11月にガバメントクラウドファンディングを実施し、延べ351人から目標額を上回る約950万円の寄付が寄せられた。修復作業は昨年11月末から行われ、今月中旬までに完成した。

 完成式には広田一恭市長のほか、JR西日本の関係者らが出席。広田市長は「きれいになったSLがまちづくりに貢献してくれることを期待している」とあいさつ。早速、式典に訪れた子どもたちが運転席に乗り込み、SLの雰囲気を堪能した。

 市管理計画課の山根幸司係長は「地域の人が旧倉吉線を思い出すきっかけとなれば。観光名所の一つとして観光客の回遊性向上につなげたい」と話した。

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