穴窯に夜も火絶やさず 自性寺焼の名工・青木さんが伝統の窯炊き 群馬・安中市

 群馬県安中市の重要無形文化財「自性寺焼」を復興した現代の名工、青木昇さん(77)=同市下秋間=の工房「里秋窯(りしゅうがま)」で、伝統の窯炊きが行われている。22日深夜から23日未明にかけ、闇夜に炎が勢いよく舞い上がる幻想的な光景が見られた=写真右

 青木さんが自ら築いた穴窯で、10トンものアカマツのまきを1週間、24時間燃やし続ける。年に1度行う根気のいる作業で、青木さんの工房に通う弟子や生徒も協力。6時間ごとに交代しながら、手伝った。

 窯の中で燃やしたまきの灰が作品に降りかかり、独特の色合いを生み出すことから「窯変の妙」と呼ばれる。1200度の高温を保つため、温度を確認しながら数分ごと窯にまきを入れた=同左

 今回、窯に入れられた作品数は、青木さんと弟子、生徒の600点余り。青木さんは「充実の時間」と窯をじっと見つめ、生徒たちも「焼き上がりが待ち遠しい」と口をそろえた。

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