軍艦島がバーチャル写真に 写真家の佐藤健寿さん“撮影” 長崎伝統芸能館で展示 

本物と見まごう精細な景色を楽しめるバーチャル写真=長崎市、長崎伝統芸能館

 写真家の佐藤健寿さんが長崎市の「端島炭坑」(軍艦島)の3Dデータをバーチャル写真として切り取った「バーチャル軍艦島展」が、同市南山手町のグラバー園内にある長崎伝統芸能館で開かれている。5月8日まで。
 貴重な自然や文化を3Dデータ化し、保全活動に寄与する民間プロジェクト「ヘリテージ・データバンク」(東京)と市の共催。
 ドローンも使って一般の立ち入り禁止区域など島全体を撮影した写真と、レーザースキャナーの計測データを組み合わせ3D化。これを、写真集「奇界遺産」シリーズで知られる佐藤さんが現実世界では撮影不可能なアングルなど独自の感性で“撮影”した。
 同展は端島閉山50年に合わせ今年1月に東京・渋谷で開いた「渋谷軍艦島展」の巡回展。佐藤さんの作品などパネル計40点を展示し、本物と見まごう精細な景色や、不思議な感覚を楽しめる。国内最古の鉄筋コンクリート造アパート「30号棟」など建造物を1棟ずつ3Dデータで「解剖」したコーナーもある。
 観覧無料だがグラバー園の入場料が必要。

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