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現地時間1月10日(日本時間11日、日付は以下同)、ロサンゼルス・クリッパーズはカワイ・レナードと3年間の延長契約を結び、2026-27シーズンまで契約下へ置くことに成功した。

来季から新ホームコート、インテュイット・ドームがオープン予定のクリッパーズは、2026年のオールスター開催も決まっており、スティーブ・バルマー・オーナーの下でフランチャイズ史上初のリーグ制覇を目指している。

ただ、レナードとの延長契約から2か月半が経過した現在も、ポール・ジョージ、ジェームズ・ハーデンとは延長契約できていない。そのため、このままいけばジョージの来季契約はプレーヤーオプション、ハーデンは今季終了後に完全FA(フリーエージェント)となる。

クリッパーズはレナ―ド、ジョージ、ハーデンにラッセル・ウエストブルックという4人のスーパースターを擁していて、3月22日を終えた時点でウエスタン・カンファレンス4位の44勝25敗(勝率63.8%)の好位置にいる。
「俺たちはLAを代表しているんだ。4人全員がこの街や地域で育ち、強く結ばれていて、ここを代表したい。これがロサンゼルスのバスケットボールであり、そのことにプライドを持っている」

ジョージは先日、米メディア『NBC Sports』へそう話しており、クリッパーズ側としても彼を長期間に渡ってキープしたいと考えているに違いない。

現在、クリッパーズはウエストブルックをケガで欠くなか、22日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦ではジョージがゲームハイの31得点に4リバウンド、3アシスト、2スティール、2ブロックの活躍を見せて勝利。

33歳のスウィングマンはウイングポジションで理想的なサイズ(203cm・100kg)を誇るベテランで、キャリア14年目の今季も平均22.5点、5.3リバウンド、3.7アシスト、1.6スティールをマークし、オールスターにも名を連ねた実力者なのは間違いない。

今夏のFA戦線では、ハーデンやクレイ・トンプソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、パスカル・シアカム(インディアナ・ペイサーズ)が完全FA、プレーヤーオプション組ではジョージやレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、ドリュー・ホリデー(ボストン・セルティックス)といった大物がいる。
そうしたなか、今夏の動向が注目されているのがフィラデルフィア・セブンティシクサーズ。ダリル・モーリーの下、このチームで来季も契約下にいるのは昨季のMVPジョエル・エンビード、ビッグマンのポール・リードの2選手のみ。制限付きFAになるオールスターガードのタイリース・マキシーとの再契約が確実視されているものの、ロスターを大幅に入れ替えるチャンスがあることは事実だ。

そこでNBAインサイダーのマーク・スタインは、自身の会員制ウェブサイト『Substack』で、シクサーズがジョージ獲得に関心ありと耳にしたと報道。今季もレナードやハーデン、ウエストブルックと共存してきたジョージは、エンビードとマキシーを補完する第3のスターとして申し分ない選手と言える。
現状ではジョージがクリッパーズと延長契約、あるいは再契約を結ぶことが濃厚ながら、シーズン中に延長契約を結ばない限り、今夏のFA戦線で大きな注目を集めることになりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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