火災共済などの共済事業に絡み、掛け金などの横領による職員の懲戒解雇が明らかになった青森県深浦町の深浦漁協は23日、同漁協で通常総会を開いた。出席者によると、現時点で認定した横領の被害額は計205万円余で全額回収済みとの報告があった。不祥事を受けた全役員改選により、新たな代表理事組合長に嶋元武信氏(56)が選出された。
総会は非公開で約50人が出席した。複数の出席者によると、総会では2月24日の臨時総会以降、205万円余のほかに、さらに2件の不明朗な資金管理も新たに確認され、被害額の精査後、必要に応じ損害賠償請求を行うとの説明があったという。
総会後の取材に対し、漁協側は認定した横領額を明らかにしなかった。嶋元新組合長は「役職員と組合員の風通しが良い組合をつくりたい。コンプライアンス(法令順守)を徹底していく」と語った。
出席者によると、総会は4時間弱にわたり、たびたび議論が紛糾したという。一部出席者から自身の正副組合員資格審査の妥当性を問う声や、2月の臨時総会の当初議案について提出書面で示された賛否の有効性を確認する趣旨の発言などもあったという。
出席者からは「不祥事が起きてしまったんだから、今後は気を付けてほしい。職員の良心に期待したい」「辞める組合長(山本幸宏氏)にもう少し説明してほしかった」などの声が聞かれた。