「中国は最も重要な供給網の所在地」米アップルCEO

「中国は最も重要な供給網の所在地」米アップルCEO

18日、上海市の南京西路に位置するアップル静安店。(上海=新華社記者/劉穎)

 【新華社上海3月24日】米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は20日、中国上海市で新華社の取材に応じ、アップルのサプライチェーン(供給網)にとって中国より重要な場所はないと語った。その上で、中国のサプライチェーンパートナーとの長期的な協力関係を強化し、グリーン(環境配慮)製造やスマート製造の分野で連携を緊密にし、ウィンウィンを実現するとの考えを示した。

 同社では調達総額の98%を主要サプライヤー200社が担い、うち151社が中国で生産を行う。クック氏の上海訪問当日、同社は中国の電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)、スマートフォン部品メーカーの藍思科技(レンズ・テクノロジー)、電子部品メーカー大手の深圳長盈精密技術などと公開イベントを開き、中国サプライヤーがスマート製造やグリーン製造、人材育成などの面で収めた最新の成果と進展を紹介した。

 2008年からアップルと協力し、スマート工場の情報化システムを共同で構築してきたBYDの王伝福(おう・でんぷく)董事長兼総裁は会場で、クック氏と対談を行った。

 中国国務院弁公庁はこのほど、高いレベルの対外開放を着実に推進し、外資の誘致と利用に一層注力するための行動計画を発表。外資系企業による投資を奨励する産業のリストを改定し、先進製造やハイテク、省エネ・環境保全などの分野への支援を拡大する方針を明確にした。

 クック氏は「この30年、アップルは中国で絶えずサプライチェーンを拡大し、投資を強めてきた」と表明。「30年前に中国を訪れた際は工場の自動化レベルがまだ低く、グリーン製造に関心を持つ人も多くなかったと記憶している。だが、現在は一変し、中国の工場が非常に先進的な製造能力と極めて高い自動化レベルを備え、高い技能を持つ人材を有することを目にした」と述べた。

 アップルは2030年までにすべての業務、製造サプライチェーン、製品ライフサイクルでカーボンニュートラル(炭素中立)を実現することを計画している。クック氏は「これにはわれわれと協力パートナーが大量のイノベーションを共同で実現することが不可欠だ。中国を何度か訪れ、ここでのイノベーションの状況を目にして以降、この目標は完全に実現できると確信している」と語った。

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