「あまりにも大きな飛躍を遂げた」ことで決断。17歳の新鋭フォンセカが大学でなくプロ転向を選んだ理由を語る<SMASH>

現在開催中の男子テニス下部大会「パラグアイ・オープン」(3月18日~24日/パラグアイ・アスンシオン/クレーコート/ATPチャレンジャー75)に出場している17歳のジョアン・フォンセカ(ブラジル/世界ランク341位)がATP(男子プロテニス協会)のインタビューで、2月にプロ転向の決断を下したことについて語っている。

最近話題の的となっているフォンセカは、アグレッシブな攻撃と粘り強さを武器に持つ新進気鋭の若手の1人。昨年9月の全米オープンジュニアで見事優勝を果たした彼の名前が一気に知れ渡ったのは、2月に出場した母国開催の「リオ・オープン」(ATP500)でのことだった。

1回戦でトップ50のアルテュール・フィス(フランス/大会時44位)を下してツアー初勝利を挙げると、2回戦では元世界17位のクリスチャン・ガリン(チリ/同83位)を破って準々決勝へ進出。2000年以降の男子ツアーでは錦織圭に並んで史上5番目の若さとなる17歳6カ月でのツアーベスト8入りを果たす快挙を成し遂げた。

先月の時点で600位台だったランキングも340位台に大きくジャンプアップ。早くも頭角を現しているフォンセカだが、既報の通り当初はプロ転向ではなくアメリカの名門バージニア大学への進学を予定していた。ところがそれを突如方向転換し、2月29日には自身のSNSで「2024年をもってプロに転向することになりました」と正式に発表。同時に「大学受験資格は破棄しました」と報告していた。
ほぼ進学が決まっていた中でのプロ転向は「非常に難しい決断だった」とフォンセカ。それを後押ししたのはやはりリオ大会で「あまりにも大きな飛躍を遂げたこと」だった。「家族と僕はそれについて長い間考えていたけど、プロになる選択を“ノー”と切り捨てることはできなかった」と成長著しい17歳は決断当時の心境を語る。

特に両親からの反対はなかったとのこと。「両親は素晴らしい人たちで、いつも僕をサポートしてくれる。だから大学に関することをすぐに決めなければならないというプレッシャーもなかったし、彼らは常に僕の決断を支持してくれた」と感謝の言葉を続けた。

そんなフォンセカは参戦中のパラグアイ・オープンで快進撃を見せており、現地23日に実施された準決勝では格上のロマン・アンドレス・ブルチャガ(アルゼンチン/161位)に7-6(5)、1-6、6-3のフルセットで勝利。チャレンジャー初優勝を懸け、決勝では同郷で22歳のグスタボ・ハイデ(ブラジル/225位)と対戦する。

文●中村光佑

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