大相撲にニュースター続々!尊富士110年ぶり新入幕優勝で師匠・伊勢ヶ濱親方も感激

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初土俵からわずか10場所で史上最速優勝!

大相撲3月場所千秋楽で前頭17枚目の尊富士が前頭6枚目の豪ノ山を押し倒しで破り、1914年夏場所の両国以来110年ぶりとなる新入幕優勝を果たした。

初土俵から所要10場所での優勝は、年6場所制となった1958年以降で最速記録だった貴花田と朝青龍の24場所を大幅に更新。輪島が記録した幕下付け出し最速の15場所、優勝制度ができた1909年夏場所以降で最速だった両国の11場所をも上回る新記録となった。

ケガを押して強行出場、伊勢ヶ濱親方「止められません」

尊富士は青森県出身の24歳。幼少期に相撲を始め、鳥取城北高から日本大に進学した。

伊勢ヶ濱部屋に入門して2022年9月場所で初土俵。同年11月場所は序ノ口優勝、翌2023年1月場所も序二段優勝すると、東十両10枚目だった2024年1月場所では13勝2敗で優勝し、わずか1場所で十両を通過した。

今場所は11日目に大関・琴ノ若を寄り切って初日から11連勝。新入幕力士として大鵬以来、実に64年ぶりの快挙だった。

12日目に豊昇龍に敗れて初黒星を喫すると、14日目には朝乃山に敗れた際に右足を痛め救急車で病院に搬送。千秋楽の出場が危ぶまれたが、痛みをこらえながら土俵に上がった。

NHKの解説を務めた師匠の伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)は「止められませんよ。止めたら後悔する」とケガを押して強行出場した弟子の快挙を見届け、静かな口調で喜びをかみしめるように話した。

平幕優勝は2022年11月場所の阿炎以来、幕尻優勝は2020年7月場所の照ノ富士以来と記録ずくめの優勝。また、青森県出身力士では1997年11月場所の貴ノ浪以来、日大出身では輪島、琴光喜に続き3人目となった。

先場所13勝を挙げて大関昇進した琴ノ若に続き、今場所は2023年5月場所でデビューしたばかりの大の里も優勝を争うなど、ニュースターが次々に出現。久々に角界が盛り上がってきた。



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