給与は上がらず家計がギリギリです。自炊を続けるのが大変なので、手抜きでも節約できる方法はありませんか?

実感できる身近な節約方法は「自炊」

まず、株式会社モデル百貨(長崎県佐世保市)が運営する「Money Geek」が実施した、「1010人に聞いたみんなの節約術」の調査結果を紹介します。

こちらは2023年11月17日~24日に20代以上の男女1010人(家族あり、一人暮らし)を対象にしたもので、節約効果がある方法の第1位に「できるだけ自炊する:192人」が挙げられています。

また、食費の節約は一人暮らしのなかで最も多い項目で、回答者の19.0%を占めることも分かりました。ちなみに、第2位には「水道・光熱費:18.1%」が入っています。

一方、家族ありの節約項目の第1位は「水道・光熱費:19.4%」で、第2位が「食費:15.9%」になる点にも注目です。食費や水道・光熱費の節約は、家族の人数関係なしに取り組みやすいといえるようです。

家計の節約に励む理由で最も多いのは「老後資金等、将来のための貯金:37.2%」ですが、「節約しないと生活できないから:23.8%」という厳しい現実も見て取れました。

また、月に節約できる金額は「1000~3000円程度」が最多の31.3%で、家族の有無とはあまり関係ないようです。さらに、節約できる金額で「1000円未満:15.3%」との数値もあり、家計管理に苦労している人も少なくありません。

しかも、節約疲れを感じている人(かなり感じる、少し感じる)が52.8%と、回答者の過半数を占めるだけでなく、一人暮らしのほうがより多く感じていることも分かりました。

自炊している人とその本音

次に、家計の節約方法で注目されている自炊について、その現状や実践者の本音を取り上げていきます。まずは、株式会社CREAKS(東京都港区)が運営するサウナプラットフォームの「サウナーチ」が実施した、「自炊の頻度に関するアンケート」のデータです。

こちらは、2024年1月12日〜13日に15~39歳の男女300人を対象にしたもので、30代の69%が自炊していることが分かりました。また、「10代:50%」「20代:55%」と年代に比例して高くなっています。

しかも、毎日自炊する人は「30代:30%」で「10代:10%」の3倍、性別では「男性:15.83%」に対して「女性:24.44%」と女性のほうが約1.5倍高いことも分かっています。

自炊に励むことで食費の節約、さらには家計費全般の節約にもつながりますが、すべての人が自炊に前向きとはかぎりません。

株式会社リクレ(神奈川県横浜市)が運営する食べるを考えるWEBメディア「リーミー」が実施した、「共働きの自炊に関するアンケート」(調査期間:2024年1月16日~23日、調査対象:全国の共働き家庭300人)には興味深い結果があります。

特に注目すべきは、「自炊に意欲的でない(全く意欲的でない人を含む):43%」と回答者の約4割に上る数値です。

ちなみに、こちらの対象者は20~60代の共働き家庭(300人)なので、忙しい日常のなかで料理に時間をかけられない人もいるでしょう。食材の調達や管理、料理や後片付けの時間など、自炊ならではの課題も多いようです。

自炊を続けるにはストレスフリーが大切

節約のために自炊に励んでも、ストレスが高じて散財することもあります。また、レシピに忠実に従った結果、お金の無駄遣いにもなりかねません。

このような負のスパイラルを防ぐためには、よい意味での開き直りが必要です。食材や調味料は手持ちのものを使い切る、食材を下ごしらえして冷凍保存するなど、食費や時間を節約できる方法はいろいろあります。

また、すべて自炊するのではなく、お総菜を組み合わせて食卓に出すのもよいでしょう。電子レンジの活用によって、洗い物を少なくすることにも役立ちます。ちょっとした工夫によって、自炊の手間暇が軽減だけでなく水道・光熱費の節約にもつながるため、ストレスフリー効果も期待できるでしょう。

料理の手抜きOK! 楽しみながら節約に励むことがポイント

家計費の節約には、日々の出費を見直すことが大事です。特に、食費は節約しやすい項目なので、自炊をすることで食費削減も十分可能です。

しかし、完璧を目指すとかえってストレスにもなりかねません。精神的なゆとりを感じる生活のためには、料理を手抜きしても大丈夫です。自分に合った方法で、無理なく楽しみながら節約に励みましょう。

出典

株式会社モデル百貨 Money Geek 1010人に聞いたみんなの節約術
株式会社CREAKS サウナーチ 自炊の頻度についてのアンケート
株式会社リクレ リーミー 共働きの自炊に関する意識調査

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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