「素晴らしい才能だけでは勝てない」ドゥンガがブラジル代表監督の難しさを語る!

サッカー王国ブラジルのレジェンド、ドゥンガ氏が元日本代表MFの鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルに出演。

【動画】ドゥンガがブラジル代表の監督時代を回想
ドゥンガ氏は、現役時代はワールドカップに3度出場し、1994年のアメリカ大会では主将を務めて優勝を経験。クラブでは母国のインテルナシオナルほか、イタリアやドイツでも活躍し、95年からは4シーズンにわたり、ジュビロ磐田でもプレーした。

引退後は指導者に転身し、06年にブラジル代表の指揮官に就任した。それまで監督は未経験だったが、不安はなかったという。

「過去に監督ではなかったけど、磐田でアドバイザーをやったこともあって、若い選手にも指導した経験があった。そういう経験は積んでいたから自分は監督をやる準備ができていたんだ」

さらに、「多くの経験豊富な監督がワールドカップを優勝できずに、経験の浅い監督が優勝できた」と語り、成功した具体例として、22年のカタールW杯で優勝したアルゼンチンのリオネル・スカローニ監督を挙げた。

自身が監督に就任し、起用していたロナウジーニョ、ロナウド、カカ、アドリアーノを「ファンタスティックで素晴らしい選手たち」と称賛。一方、ブラジル代表を率いる難しさをこう語る。

「素晴らしい才能を持っていても、試合で表現できなければ意味がない。素晴らしい才能を持つ選手がいくらいても、勝てなければ何かが足りていないんだ。『素晴らしい才能』だけでは勝てない。

だから監督は難しくて、メディアもファンもスター選手たちのプレーが見たい。でも、監督が『パフォーマンスが悪い』と感じて別の選手と交代させると、『なぜ起用しない?』と批判されるから、監督の采配は難しい」

セレソンを率いて臨んだ10年の南アフリカW杯で、ブラジルはベスト8で敗退。ドゥンガ氏は「悲しい大会だった」と振り返った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

© 日本スポーツ企画出版社