女子の国内ITFツアーも亜大国際で開幕。19歳の伊藤あおいが昨年に続き準優勝、17歳の西村佳世も4強と健闘<SMASH>

日本開催のITF(国際テニス連盟)ワールドツアーが女子もスタートした。前週の男子「亜細亜大学国際テニストーナメント」に続き、「亜細亜大学国際女子テニストーナメント」(東京・亜細亜大学日の出キャンパス/ハードコート/W15)が3月19日から開幕、24日にシングルス決勝が行なわれ、全日程を終了した。

ITFツアーは国際テニス大会のカテゴリーの中で、WTAツアーの下部ツアーに当たり、特に賞金総額15,000ドル大会は最も低いグレードとあって、これから世界を目指す新鋭たちの登竜門となっている。

亜大国際にも若手を中心に多くの日本選手が参加。その中から第2シードの19歳、伊藤あおいが準優勝と健闘した。

伊藤はパワー全盛の女子テニス界にあって、変幻自在のプレーで異彩を放つ選手。フォアのスライスやドロップショット、コースやタイミングの変化などを巧みに使って相手を翻弄する。昨年のこの大会で初のITF決勝に進んだあたりから頭角を現し、6月のW15大会でITF初優勝、今季はオーストラリアのW75で準優勝と好調で、最新ランキングでは自己最高の289位まで上げている。

決勝ではアメリカのメーガン・マナッセと対戦。現在はランキングを失っているが、最高位は327位と手強い相手だ。伊藤はサービスの出来に苦んだ。1stサービスでのポイント獲得率が42%と伸びず、2ndサービスでは17%まで低下。ダブルフォールトも6つ犯し、9回あったサービスゲームのうち8度のブレークを許してしまった。自身も4度ブレークに成功したものの、ゲーム差は詰められず、3-6、2-6で敗れた。
伊藤以外では、17歳のホープ西村佳世の活躍も目を引いた。予選を勝ち上がり、本戦2回戦では昨年優勝の川口夏実を破る健闘を見せ、ベスト4入り。準決勝で伊藤に敗れた。

またダブルスでは、亜細亜大学の冨永栞/吉川ひかるが、決勝で第2シードの林恵里奈/森崎可南子を6-3、0-6、10-7で破って優勝と、若い選手たちが可能性を示す大会となった。

女子のITFツアーは亜大国際を皮切りに、6月中旬までほぼ毎週のように大会が続く。W15からW100までレベルも様々。多くの日本選手がここでポイントを稼ぎ、今より上のステージへと歩を進めてほしい。

構成●スマッシュ編集部

© 日本スポーツ企画出版社