アイドルホース・メイケイエール引退式…池添謙「無事に終わって良かった」

3月24日、中京競馬場で最終レース終了後に、メイケイエール(牝6・栗東・武英智)の引退式が執り行われた。同馬は小倉でのデビュー戦で5馬身差の圧勝後、小倉2歳ステークス、ファンタジーステークスと重賞連勝して、無傷の3連勝で注目を浴びた。

その後はG1戦線で勝ち切ることは出来なかったものの、コンスタントに勝ち星を伸ばしていき重賞勝ち鞍は計6勝。ゴールへひたむきに走っていく、一生懸命な個性的な姿は多くのファンに愛された。香港、アメリカなど海外遠征にも積極果敢に挑戦していき、ラストランは高松宮記念での9着だった。今後は繁殖牝馬としてその素晴らしい才能を受け継いでいく。

唯一無二の個性派

武英智調教師
「終わったなという感じです。約4年間なんですけど、本当に一瞬でした。大変なことばっかりでしたけれども、よく頑張ってくれたと思います。折り合いも性格的にもこのくらい難しい馬というのはそうそういないので、レースの度に課題がたくさんあったので、色々試行錯誤しながら、色んなことをスタッフと牧場関係者の皆さまと相談しながらやってきました。全てが思い出です。今日は今後の(レースの)ことを考えずに済むということでゲート中心にやりましたし、今日は悔いのないように仕上げてきたつもりです。パドックも本当によく見えましたし、4コーナー回ってくる時はいつもの良い時のメイケイエールの走りだなと思っていました。ただ今日も天候に恵まれず、最後は走りにくそうにしているんで怒っているのかなとは思っていました」

池添謙一騎手
「今日はゲートも我慢してくれましたし、前走と違って普通にスタートを切ってくれたので、ポジションも取りに行けました。道中はいつもかかっていく感じでしたが、我慢をしてくれました。4コーナーを回ってくる時はいい形で回ってこれたので、今日はいいんじゃないかなって思って乗っていました。綺麗な走りをする馬なので、こういう重たい馬場だと、やはり向いていなくて、本当に良馬場で走らせてあげたかったなと思いました。(1番印象に残っていることは?)これ1つというのは挙げられないですが、僕は追い切りだけだったので、普段大変な思いをしているのは調教助手さんですが、本当に常に追い切りにしてもレースにしても緊張感があって、安心してレースに臨むことはなかったかなということです。常に調教上手くいったから大丈夫とか、そういうのは一切なくて、本当に初めてと言っていい子だったので、いい経験させてもらいました。最後G1タイトルを取りたいと思っていましたが、そこはちょっと取れなかったのは残念です。ただメイケイエールには次の人生があるので、無事に終わって良かったなと思っています。僕の前に騎乗していた豊さんからメッセージをいただいています。今日ドバイに向かうので出席できなかったのでコメントをもらってきました。『常にメイケイエールに騎乗している時は悩んでいました。勝った時でも負けた時でも、無事に終わってホッとする自分がいました。』という風に言っていました(笑)」

◆メイケイエール 20戦7勝
(牝6・栗東・武英智厩舎)
父:ミッキーアイル
母:シロインジャー
母父:ハービンジャー
馬主:名古屋競馬
生産者:ノーザンファーム

◆主な勝ち鞍
小倉2歳ステークス(G3)
ファンタジーステークス(G3)
チューリップ賞(G2)
シルクロードステークス(G3)
京王杯スプリングカップ(G2)
セントウルステークス(G2)

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