【尊富士優勝】負傷した息子が心配で… 母・桃子さん、急きょ大阪へ飛ぶ

 優勝を目前にした息子が負傷し、居ても立ってもいられず、急きょ大阪へ飛んだ。尊富士(24)=青森県五所川原市出身=の母・石岡桃子さん(47)は大相撲千秋楽の24日、満員御礼でチケットが買えず、会場近くにある家電量販店のモニターで息子の大一番を見届けた。表彰式を終えた尊富士は伊勢ケ浜部屋関係者が待つ場所へ戻ると、真っ先に母の元へ。桃子さんは笑顔で息子を抱きしめた。

 尊富士は14日目の23日、勝てば初優勝の朝乃山戦で右足首を負傷。桃子さんは心配で寝ることさえままならず、「顔を見て安心したかった」と24日朝に急きょ、親族らと一緒に飛行機に乗り込んだ。「足が心配で。それだけでした」

 会場には入れず、画面越しに見届けた息子の勇姿。「初めての日本一がこんな形で…。震えが止まらなかった」と桃子さん。高校、大学で膝のけがに苦しんできた息子の過去を思い起こし、「良いところまで行った時に毎回、けがをしてきたので…」と声を詰まらせた。涙があふれた。

 関係者を集めての記念撮影で、桃子さんは賜杯を持つ尊富士の隣に座った。息子と一緒に万歳三唱する表情は晴れ渡っていた。

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