24日にあったバレーボールVリーグ3部(V3)男子ファイナルステージ(プレーオフ)決勝で、フラーゴラッド鹿児島(F鹿児島)が長野GRに3-0で勝利。リーグ初参入で優勝を飾った。
多彩な攻撃で第1セットを奪ったF鹿児島は、第2セットで相手のサーブに苦しんだ。第3セットは長友や津田の強打でリズムを取り戻し、相手を10点台に抑えた。
今季のV3では、長友が最高殊勲選手賞と得点王、サーブ賞を獲得。セッター山本は最優秀新人賞に輝いた。
3部制の枠組みは今季で終わるため、F鹿児島は昇格しない。来季のリーグは上位の「SV」と下位の「V」に分かれ、F鹿児島は「Vリーグ」のライセンスを得ている。
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最後の試合も、V3初参戦とは思えない勝負強さを発揮した。F鹿児島はレギュラーラウンドと同様に幅のある攻撃で、3-0とストレート勝ち。優勝を決める笛が会場に響くと、控え選手たちもコートになだれ込み、全員で拳を突き上げた。
相手を分析して戦略を立てるアナリスト不在のチームは、V1経験の豊富な長友が戦略を決めた。「速攻で行こう」。エースの勘は的中し主導権を握った。第1、2セットともに数種類のクイック攻撃で得点を重ねる。
2セットを連取し迎えた第3セット。MB森が滞空時間の長いジャンプで、相手ブロックをかわした。速攻弾は、的確に相手コートを捉えて17-9。このスパイクで勝利が近づいた。躍動感あふれるプレーを見せた森は「フェイントも織り交ぜたのがよかった」と満足した表情。長野GRの主将に「ブロックには自信があったが、全く止められなかった」と言わしめた。
選手は全部で13人と他チームに比べて少なく、裏方の人手も足りていない。島田桃大前監督が2月末で退任する波乱もあった。そんなチームが、シーズン前から目標に掲げていた「初参戦、初優勝」をやってのけた。
2021年の設立当初から在籍する坂元主将は「Vリーグに入れるかどうか、からのスタートだっただけに達成感はすごい。バレー熱の高い鹿児島に優勝を報告できるのが楽しみ」。V3制覇という、大きな“お土産”を喜び声を震わせた。