「自分は頭脳とテクニックでしか勝負できない」
そう話すのは、FC東京で眩い輝きを放つ荒木遼太郎だ。攻撃センスが売りのアタッカーは続けて自身のこだわりを述べてくれた。
「足もと、足技のトレーニングは欠かさずやっていて、ボールが思うように動かせる努力はずっとしています。トラップもめちゃくちゃ置く位置とかを考えていて、一つひとつ意図あるプレーにしています」
だからこそスムーズなフィニッシュワークが可能なのだろう。今季ここまでJ1リーグで決めた4ゴールのシーンを振り返っても、迷いがない印象だ。文字通り意図あるプレーでゴールへの道筋を作って、自らの足で蹴り込んでいる。
なかでも、サンフレッチェ広島戦の同点弾は、華麗なテクニックで相手との駆け引きを制し、際どいコースに蹴り込んだという点で、頭脳とテクニックを駆使した一撃と言えるかもしれない。
FC東京の新たな得点源として地位を確立しつつある荒木の真価が問われるのは、もしかすると4月3日に国立競技場で行なわれる浦和レッズ戦(19時半キックオフ)かもしれない。CFかトップ下を任される荒木が、J屈指のCBコンビ、マリウス・ホイブラーテンとアレクサンダー・ショルツの壁を突破できるか。ここは大きな見どころとなる。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)