年収1000万円はもはや「高年収」じゃない?東京都で世帯年収1000万円の割合も

羨ましい「年収1000万円以上」、手取り額は意外に少ない?

国税庁の「2022(令和4)年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は458万円であり、年収400万円台が一般的な平均年収といえます。

その一方で、日本では年収1000万円を超える人の割合は増加傾向にあります。特に東京都などの都市部では、「年収1000万円では高収入とはいえない」という声もあがります。

年度末が迫り、今後のキャリアを見直す方も多いでしょう。

そこで本記事では、年収1000万円の人の割合について詳しく紹介していきます。

「年収1000万円の手取り収入」や「東京の世帯年収1000万円の割合」についても紹介しているので参考にしてください。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

年収1000万円を超える人の割合

まずは国税庁の資料を参考に、年収1000万円以上の人の割合をみていきましょう。

国税庁「2022(令和4)年分 民間給与実態統計調査」による年収1000万円以上の割合は下記のとおりです。

年収の一覧表

【年収1000万円以上の割合】

  • 全体:5.4%
  • 男性:8.4%
  • 女性:1.5%

会社員で年収1000万円超の人は、全体・男女別ともに1割未満となっており、ごく少数であることがわかります。

特に女性の場合、年収1000万円超の割合が1.5%となっており、年収1000万円を達成するハードルの高さがみてとれます。

東京で世帯年収1000万円の割合は?

続いて、東京に住む世帯で年収1000万円超の割合をみていきましょう。

東京都の「2022年度(令和4年度)東京都福祉保健基礎調査『東京の子供と家庭』の調査結果」によると、東京都在住の世帯の年収割合は下記の結果となりました。

  • 収入なし:0.7%
  • 100万円未満:1.4%
  • 100~200万円未満:3.4%
  • 200~300万円未満:3.7%
  • 300~400万円未満:6.4%
  • 400~500万円未満:7.1%
  • 500~600万円未満:9.5%
  • 600~800万円未満:17.9%
  • 800~1000万円未満:16.8%
  • 1000~1200万円未満:12.7%
  • 1200~1500万円未満:8.8%
  • 1500万円以上:9.6%

年収1000万円以上の割合は31.1%であり、全体の約3割を占める結果に。3世帯に1世帯は年収1000万円であることがうかがえます。

なお、同調査による世帯年収別の共働き状況は下記のようになっています。

東京都における共働きの割合

東京都在住の共働き世帯で年収1000万円以上の割合は38.5%、片働き世帯で年収1000万円以上の割合は28.0%でした。

上記から、東京に住む人の年収1000万円超の割合は、他の道府県と比べて多い傾向にあることがわかります。

その背景としては、共働き世帯が多いことだけでなく、東京に拠点をおく大企業が集中していることも年収1000万円超が多い理由として考えられるでしょう。

年収1000万円の手取り額は?

では最後に年収1000万円の手取り額をみていきましょう。

年収1000万円と聞くと「高年収」のイメージがあるかもしれませんが、実は「額面の金額」と「手取り額」では金額が大きく異なります。

会社員の場合、主に給与から下記の税金や社会保険料が差し引かれます。

  • 所得税
  • 住民税
  • 社会保険料(健康保険料・介護保険料※)
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料

※介護保険は40歳から64歳までの方が対象

給与から差し引かれる税金や社会保険料は、収入が上がるほど負担額が大きくなります。

一般的な会社員が年収1000万円の場合、約270万円ほどが税金や社会保険料として徴収されるため、手取り額は約730万円ほどになります。

このように、額面では「年収1000万円以上」でも、実際の手取り額は思っているよりも高収入なわけではありません。

なお、上記はあくまでも夫婦と子ども1人世帯のシミュレーションとなっており、子どもの年齢や既婚か独身かなどによっても手取り額は変わってくるため、1つの参考額として考えておけると良いです。

羨ましい「年収1000万円以上」の割合について

本記事では、年収1000万円の人の割合について詳しく紹介していきました。

年収1000万円以上は多くの人が憧れる年収帯ですが、税金や社会保険料の負担が大きいことから、手取り額は思っているほど多くはありません。

とはいえ、高収入になればなるほど生活水準を上げてしまうというのはよくある話なので、「高年収なのに生活が苦しい」といったケースも聞かれます。

どの年収帯にも言えることですが、額面の金額ではなく手取り額をしっかりと把握し、その範囲内で生活水準を考えることが大切といえるでしょう。

参考資料

  • 国税庁「2022(令和4)年分 民間給与実態統計調査」
  • 東京都「2022年度(令和4年度)東京都福祉保健基礎調査『東京の子供と家庭』の調査結果」

© 株式会社ナビゲータープラットフォーム