高砂熱学工業ら/BIM中核に業務自動化へ新プラットフォーム開発、働き方改革加速

高砂熱学工業と建設DXを推進するスタートアップのArent(東京都中央区、鴨林広軌社長)は、BIMを中核とした新たなプラットフォームを開発した。高砂熱学がこれまで培ってきた建設業務プロセスの知見を集約・データ化しBIMに統合。一連の業務プロセスと、BIMで蓄積したデータを結び、業務の自動化、省力化を実現する。生産性向上でコスト削減にも貢献する。
新プラットフォーム「PLANETS」(プラネッツ)は、設計から施工、運用管理までの業務プロセスを統合し、BIMを中核に▽設計自動化▽見積もり支援▽見積もり・原価管理▽引き合い▽施工図自動作成▽工程管理▽進捗(しんちょく)管理▽品質管理▽運用管理-の九つのSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)が連携する。BIMデータを蓄積、一元管理して業務プロセス全体をデジタル化。約3割以上の効率化を目指す。
具体的にはBIMデータを基に設計業務を自動化し労働時間を削減。設計BIMデータから自動で部材の拾い出しが可能となり、見積もりの高度化と精度向上を図る。設計、見積もりなどのデータを活用し、ダクトや配管などの干渉回避や施工効率性を考慮して施工図を作成。歩掛かり情報から工程表を自動作成する。
現在、全国40強の現場で使用中。高砂熱学の小島和人社長は「当社の暗黙知(知見)をシステム化した。アジャイル開発のためこれから成長、進化する。顧客に付加価値を付けた提案が行える。業務効率を飛躍的に改善し働き方改革を加速させる」と力を込めた。

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