オープン戦最下位チームのシーズン成績 阪神は“アレンパ”かBクラス?

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2001年以降、オープン戦、シーズンとも最下位は11回

いよいよ2024年のプロ野球開幕が迫ってきた。オープン戦は全日程を終了し、中日が10勝5敗5分け、ソフトバンクが10勝5敗2分けで同率1位。逆に12球団最下位は3勝14敗1分けの阪神だった。

昨年38年ぶり日本一に輝いた阪神は、18試合で12球団中8位タイの50得点、同12位の76失点。チーム打率は同8位の.225、防御率は同12位の3.61、失策数は同11位の15個だった。

オープン戦とはいえ、最下位に沈むのは喜ばしいことではない。過去のオープン戦最下位チームの成績を振り返っても、シーズンでも苦戦しているチームが多い。2001年以降のオープン戦最下位チームの成績は以下の通りとなっている。

オープン戦最下位からシーズンでも最下位に沈んだのは、23年間で11回もある。さらに5位が3回、4位が5回でBクラスは19回。同率最下位もあるため、のべ27チームの割合で言えばBクラス率70%、最下位率41%と高い。やはりオープン戦で最下位になるのはそれなりの理由があり、シーズンでも苦戦しているようだ。

優勝6回、V率22%

ただ、明るい材料もある。優勝が6回もあり、優勝確率は22%と高いのだ。特に2020年以降は優勝が3チーム、2位が1チームとシーズンに入ると逆転するケースが多く、むしろ吉兆とも言える。23年間で2位と3位は各1回のみのため、オープン戦最下位チームは優勝かBクラスの可能性が高い。

投手陣ではパナマ出身の新外国人、ハビー・ゲラに使えるメドが立ったのは大きいだろう。23日のオリックス戦でも最終回に登板して頓宮裕真とセデーニョから2三振を奪って11球で片付けた。オープン戦は6試合に登板して自責点0。岩崎優とダブルストッパー構想が浮上しており、昨季同様リードを確実に守り切る野球ができそうだ。

先発陣は昨季MVPの村上頌樹が19日のソフトバンク戦で5回8失点、開幕投手の青柳晃洋は22日のオリックス戦で右足母指球の皮がめくれて4回で降板したが、実績のある両投手だけにシーズンに入ればそれほど心配はいらないだろう。

野手陣はオープン戦終盤でスタメンを外れた近本光司、大山悠輔、森下翔太らの状態が気掛かり。佐藤輝明は3本塁打を放っているが、その前後を打つ打者の調子次第で得点力が下がる懸念がある。

巨人に次ぐ長い歴史を誇る阪神だが、2リーグ制となった1950年以降、連覇は一度も達成していない。オープン戦で見つかった課題をクリアして“アレンパ”へ突き進むことができるか、岡田彰布監督のタクトに注目だ。



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