動物園工事で業者に便宜 姫路市の57歳係長、見返りに自宅改修や酒提供受ける 懲戒処分へ

姫路市役所=姫路市安田4

 姫路市農林水産環境局の男性係長(57)が同市立動物園に在籍時、園内工事の発注を巡り、市内の特定の業者に便宜を図っていたことが24日、関係者への取材で分かった。係長は工事を受注した業者に無償で自宅駐車場を改修してもらったり、酒類の提供を受けたりしていた。市は懲戒処分を検討している。

 関係者によると、係長は同園の飼育担当だった2021年夏ごろ、獣舎に防鳥ネットを設置する工事で相見積もりを取る際、市内の特定の建設業者1社に競争相手となる業者を選ばせ、2社間で価格を調整できるよう便宜を図っていたという。係長は園内工事の発注業務を担当。工事の相見積もりを取り、随意契約で業者を選べる立場にあった。

 市は21年9月、この建設業者に同工事を53万7900円で発注。同時期に、係長は業者に無償で、自宅駐車場のブロック塀を一部撤去する工事をしてもらっていた。また、獣舎の修理を受注した別の溶接業者からも酒類の提供を受けていたという。

 係長は同園に約30年在籍し、市民に親しまれ20年に43歳で死んだアジアゾウ「姫子」の飼育も担当した。23年春に市農林水産環境局へ異動後、溶接業者が後任の職員にも贈答品を渡そうとしたため業者と係長の関係が発覚。市が内部調査を進めていた。(井上 駿)

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