京都府南丹市日吉町の旧五ケ荘小で、同町の写真家田中喜祐さん(44)の個展が開かれている。作品約20点の多くは「自宅から100メートル以内で撮った」といい、青とオレンジ色が鮮烈な夕焼け空、水滴をしたたらせるつららなど、田園の移ろいゆく風景を神秘的に捉えている。
田中さんは人物写真を得意とするが、今回の個展は「視点」と題し、胡麻の風景を切り取った作品を集めた。
田んぼの水面に反射した夕空や流れゆく雲を広角で捉えたり、植物の葉に付いた水滴のきらめきを接写したりしている。ほの暗く仕上げ、身近な光景の中から詩的な作品を生み出している。
「人物を撮ることが多いからか、風景でも変化に興味がある」と田中さん。日の出、日の入りに伴って空が急速に色彩を変えていく時間帯に引かれるという。静止画ながら「動的なものを感じてもらいたい」と語った。
無料。27日まで(月曜休み)。午前9時~午後5時。