本当に腹が立つ!手取り月29万円・40代サラリーマン世帯の嫁、孫の教育に過干渉の義親に怒り「口じゃなくお金を出して!」

人生の三大支出のひとつ「子どもの教育費」。その負担感は大きく、家計とにらめっこした際には思わずため息が出てしまうほど。そんな状況も鑑みずに色々と口出ししてくる人たちに、イライラを募らせることも珍しくはありません。みていきましょう。

「子どもの教育」にやたらと口出しする義親…愛情の裏返しだと分かっているが

――義理の母が、本当にうるさい!

――義理の父まで、本当にうるさい!

怒りをぶつける投稿をするのは、都内在住の40代女性。同世代の夫と、小1になるひとり息子の3人家族。最近、義親がやたらと子ども(孫)の教育に口出しをしてくるといいます。

――OOちゃん、まだ塾にはいっとらんの? 早くしないと出遅れる

――中学、受験させな。いまどき、みんな私立にいくんだろ

――先のこと考えてあげんと、困るの、OOちゃんよ

電話が来るたびに、話題はひとり息子の教育の話。どこから話を聞いたのか、「東京では中学受験するのが当たり前」「中学受験のために小学校1年生から塾通い」「中学受験に合格しないと落ちこぼれ決定」などという、少々誤った情報も本気に捉え、やたらと塾に通わせることを勧めてくるといいます。

東京都教育委員会『令和5年度公立学校統計調査報告書』によると、都内の中学校に進学したのは9万6,575人で、私立中学校に進学したのは1万9,521人。全体に占める割合は19.81%と、5人に1人の水準。確かに、地方と比べると高い水準ではあるものの、“当たり前”というほどかといえば、少々言い過ぎ感があります。

――塾って……タダじゃないし

――あなたたちの息子の給与、知ってんの?

――うちには私立に通わせるようなお金、ないの!

――色々口だけ出してないで、なら、お金を出して!

出てくる出てくる不平不満。義実家は新幹線で3時間の距離だというのが唯一の救いだとか。会うのは盆と正月くらいで、普段は電話でのコミュニケーション。「この電話だけやり過ごすことができればいいのだから大丈夫」といつも自分に言い聞かせているといいます。

さらに女性が不満を募らせているのが、過干渉の親に何も言わない夫。「まあ、可愛いんだろうな、初孫だから」と、我関せずのスタンスが何よりもイラっとさせるといいます。

――初孫なので特別に可愛いというのは分かるんだが…

――俺の給与じゃ、小1から塾なんてムリ! と親に言ってみろ!

――のほほんとしているのが、本当に腹が立つ!

厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』によると、40代前半サラリーマンの平均給与は、月収37万円、手取りにすると29万円ほど。賞与も含めた年収は616.2万円です。確かに、平均的なサラリーマンであれば、小学校1年生から塾通いを賄うためには、節制は必須。口だけ出してくる義親にストレスを感じ、さらにそんな親に対して何も言わない夫にイラッとするのも頷けます。

子育て世帯「教育費が負担」、でも「子どもの希望に応えたい!」という親心

ソニー生命保険株式会社『子どもの教育資金に関する調査』によると、「子どもが小学生から社会人になるまでに、教育資金はいくらくらい必要だと思うか」の問いに対して、「1,000万円~1,400万円位」が31.4%と最多。「2,000万円~2,400万円位」が25.4%が続き、平均予想金額は1,439万円でした。

また現在、スポーツや芸術などの習い事、家庭学習、教室学習に月々いくらかけているかの問いに対しては、「平均1万7,593円」。また子どもの進学費用のために「平均月1万6,942円」を備えているという回答。一方で「備えはゼロ円」という回答が最多で30.6%。厳しい子育て世帯の家計事情が垣間見ることができます。

実際に「子どもの教育費負担を重いと感じる」という回答は67.4%と7割弱に達し、大学生等の親世帯になると78.2%と8割に達する勢いです。

*「非常に当てはまる」23.8%、「やや当てはまる」43.6%の合計

ちなみに前出の女性は「口だけ出してないでお金を出して」と呟いていましたが、実際に子育て世帯の親はどれほど孫の教育にお金を払っているのでしょうか。「教育資金として子どもの祖父母からこれまでに資金援助を受けた金額」は平均124万円。ただし最多は「ゼロ円」で49.9%。「1,000万円以上」というケースが4.5%もいて、平均値をあげているよう。女性の義親のように「(孫の教育には)口だけ出してお金は出さない」というパターンが多いようです。

女性のように義親に不満を募らせている人は多いものの、子どもの教育には必要以上にお金をかけてしまうもの。「子どもが希望するなら、多少費用がかさんでも大学等へ進学させたい」と回答した親は8割強。大変と感じながらも、子どものためなら……と親は無理をしてしまうもののようです。

そこで気をつけたいのが、「教育費破産」。その言葉通り、過度に習い事や学習塾などに通わせることで教育費がかさみ家計を圧迫、破産を迎えるというもの。さらに昨今は、晩婚化などにより第1子誕生年齢が上昇。子どもの教育費の目途がつくころには60代近くになっており、老後の資金の準備ができていないまま定年を迎えてしまうケースが増えているといいます。準備不足のまま老後に突入したら……年金だけでは生活ができず、でも貯蓄も不十分。老後が崩壊してしまいます。

人生の三大出費のひとつに数えられる「子どもの教育費」。可愛い我が子なら、とついつい財布は緩みがちですが、支出額は身の丈にあっているか、常に俯瞰して確認することが重要です。

[参考資料]

東京都教育委員会『令和5年度公立学校統計調査報告書』

厚生労働省『令和4年 賃金構造基本統計調査』

ソニー生命保険株式会社『子どもの教育資金に関する調査』

© 株式会社幻冬舎ゴールドオンライン