富裕層がやってる「手間がかかるけれど効果がデカい」お金の処理って?(後編)

節税も、リターンとコストの比較が重要です。節税策そのものを利用できる方は少ないと思いますが、そこに至る考え方は学ぶことがあると思います。後編です。

2・ふるさと納税もやっているけど…スケールが違う

会社員の方におすすめの節税は、ふるさと納税です。経費が認められる個人事業者と異なり、所得を圧縮する方法の少ない会社員にはとっても有効です。

8,000万円の人たちもしっかりとふるさと納税をしています。でも、ワンストップ特例(ふるさと納税をしても確定申告をしなくて良い制度)の受けられる5ヶ所以内ではありません。50ないし100の自治体にふるさと納税をしています。

無論、ふるさと納税をしただけでは、得なことはありません。返礼品をもらうことで得をします。だから、自治体がどんな返礼品を送ってくれるのかを把握する必要があります。数ヶ所だったら容易ですが、仕事が忙しい中、100ヶ所の返礼品を調べるのは相当な作業です。

しかし、得をするために面倒なことを避けず、貴重な時間を対価として支払う賢者だからこそ、8,000万円を稼ぎ、所得税もほとんど納めないような状態にすることができるのでしょう。

▶損は得の2倍の効果

「損は得の2倍の効果」

行動経済学によると、人は損することを非常に嫌います。100万円もらえるより、100万円取られるときのほうが、心のダメージが大きくなります。だから、「得するよ」と言われてもなかなか行動できず、「損するよ」と言われれば重い腰をあげる。しかし、本来は100万円を得るのも、失うのも同じです。

自分を律し、得する場合でも損する場合と同じように行動することで、お金持ちと同じ行動を取ることができます。得するために努力を怠らないことの重要性を、お金持ちから学べます。

もし、あなたが行動することで、何らかの利益があるのなら、面倒だからと諦めず、その利益を失った場合を想像してみてください。あるいは、その利益を得られる労働時間を計算してみてください。比較すれば、それがいかにコストの少ない“楽して儲かる”方法か分かるはずです。それは、他人は教えてくれない、自分だけに与えられた稀有なチャンスです。チャンスを蔑ろにする者に、お金はやってきません。

(本記事は2019年5月初出の記事に2023年8月加筆修正を行いました)

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