ロッテ・澤田圭佑、2月の対外試合から無失点でOP戦を終える 今季はシーズン通しての活躍に期待

ロッテの澤田圭佑は、2月の対外試合から6試合・6イニングを投げ、3被安打、3奪三振、1与四球、無失点とほぼ完璧に抑え込んだ。(※楽天モンキーズとの練習試合、二軍の春季教育リーグは含まない)

澤田は昨季育成選手としてロッテに入団。オリックス時代の22年6月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、昨年5月10日のヤクルト二軍戦で実戦復帰し、マリーンズ移籍後初登板を果たすと、7月6日の巨人二軍戦、7日のDeNA二軍戦で手術後初めて連投を経験するなど、登板数も増えていき、同月27日に支配下選手登録に。

8月9日に移籍後初昇格を果たすと、同日のオリックス戦で移籍後初登板。同月12日の西武戦では1-2の9回に登板し1回を無失点に抑えると、その裏、佐藤都志也の適時打、荻野貴司の犠飛でサヨナラ勝ちを収め、移籍後初勝利を手にした。

8月19日の楽天戦では、5-3の6回に登板し1回を3人で片付け移籍後初ホールドをマークし、一軍昇格後初の連投となった10月1日の西武戦では同日に特例2023で一軍登録抹消となった益田直也に代わり3-2の9回に登板しプロ初セーブをマーク。澤田は移籍1年目の昨季17試合、2勝0敗6ホールド、2セーブ、防御率1.08と抜群の成績だった。

シーズン終了後にZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では「1年間投げ切れる技術をつけられるように体の感覚を研ぎ澄ましながら、技術のレベルアップをやっています」とトレーニングに励んだ。

シーズンオフも「ひたすら練習してきました」とのことで、「体のトレーニングというか、そういうのをいっぱいとってできたし、投げる方も毎日投げられたので、いい感じです」と春季キャンプに向けてしっかり準備をしてきた。

石垣島春季キャンプでのブルペンでは、フォークが苦手でタイガース・前田健太、トレバー・バウアーのYouTubeを見て、スプリットチェンジを習得し昨季は澤田の投球を支える球種の1つとなったが、「西村さんに教えてもらって、西村さんが投げているスプリットを真似して投げています」と、チームメイトの西村天裕から教わったフォークを練習。

苦手と話していたどフォークをどういうきっかけで、投げるようになったのか春季キャンプ中に聞くと、「速い変化球があったほうがいいかなと思って、西村さんに聞いてみました」と明かし、落ち球の球種を増やす狙いについて「三振を取りたいですね」と説明した。

2月10日のライブBPでは、和田康士朗への3球目にフォークで空振りを奪い、澤田の球を受けた松川虎生は「フォークは良かったと思いますよ。落ち方とチェンジアップとの差があったのかなと思います」と太鼓判。澤田はこの日のライブBPで「手応えありです、変化球は。あとはまっすぐだけです」と調整は順調そのものだった。

練習試合、オープン戦に向けて「アピールは特にはないですけど、もうすぐシーズン入れるように仕上げていきます!」と意気込んだ。

2月27日の2024球春みやざきベースボールゲームズ・ソフトバンク戦で一軍の実戦は登板し1回を無失点に抑えると、この登板からスコアボードに0を積み重ねた。

練習試合、オープン戦での奪三振は少なかったが、練習試合からストレート、変化球で空振りも取れており、2月10日時点で「あとは真っ直ぐだけです」と話していたストレートは3月15日の取材では「今は80点くらいです」とし、変化球も「良い感じです」と好感触。

石垣島キャンプで投げていたフォーク。練習試合が始まってからの映像でフォーク、スプリットチェンジの見分けがつかず、3月3日の西武とのプレーシーズンマッチで、元山飛優を一ゴロに打ち取った球種がフォークなのか直接澤田本人に確認すると、「あれはチェンジアップっす」と、フォークでもスプリットチェンジでもなかった。

「フォークは(3月8日のソフトバンク戦)中村晃選手が見逃したやつです。球速は125キロぐらいがフォーク。110キロ台はチェンジアップ。スプリットチェンジはフォークと言ってます。スプリットチェンジとフォークは一緒」と教えてくれた。

昨季は夏場以降マリーンズのブルペンに欠かせない存在となり、シーズン最終盤には勝ちパターンでも投げた。ポジションは2月の取材時点では「なんでもいいっすよ」とこだわらず、「一番苦しいところで行けるのが僕の強みだと思うので、僕にしかないポジションを確立したいと思います」と語っていた。今季はシーズン通して、マリーンズのブルペンを支えて欲しい。

取材・文=岩下雄太

© 株式会社シーソーゲーム