豪政府、物価上昇に連動した最低賃金引き上げ勧告へ

[シドニー 25日 ロイター] - オーストラリア政府は近く、インフレ率に連動した最低賃金の引き上げを支持する方針だ。生計費の高騰に苦しみ続ける低所得者を支えるのが狙い。ただインフレ率が低下しているため、昨年に比べると小幅な引き上げになるとみられる。

政府は28日に公表される公正労働委員会の年次報告書で、「低所得労働者の実質賃金が下がらない」ようにするため、最低賃金の引き上げを勧告する見通し。チャーマーズ財務相は25日のテレビインタビューで、「わが国経済における最低賃金の人々の(実質賃金が)下がることのないよう努める」と述べた。

公正労働委員会は昨年7月、インフレに対応して最低賃金を5.75%引き上げ、この対応がインフレをさらに加速させるのではないかとの懸念も一部で生じた。しかし賃金と物価がスパイラル的に上昇する兆しは見られず、インフレ率はピーク時の8.4%から2年ぶり低水準の3.4%まで低下している。

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