筆者は子どもの頃、よく両親にスキー旅行に連れて行って貰いました。
父親の学生時代の友人が同じく家族を連れて来て、総勢15名程で民宿を貸し切り、皆でワイワイ楽しく過ごしていたのです。
ですが、ある時を境に毎年恒例であったスキー旅行が中止になってしまいました。
両親からその理由を聞いたところ、衝撃が！ 何があったのかご紹介します。
家族ぐるみのスキー旅行
私の父親はスキーが大好きで、学生時代の男友達含めて5人で、毎年スキー旅行に出掛けていました。
その習慣はそれぞれが結婚してからも続き、気が付けば妻と子ども連れの大人数グループとなりました。
総勢15名程のメンバーが泊まる為に、民宿を貸し切って、皆でワイワイ楽しく旅行を楽しんでいたのです。
父親の友人達の子どもが、私と年齢が近いこともあり、旅行の際は私もエンジョイしていたのを良く覚えています。
昼間は子ども達で仲良くスキーを滑り、夜は民宿で川の字になって寝るのが、非日常感満載で子ども心をくすぐったのでしょう。
突然の帰還
「これからもずっと、このスキー旅行が続きますように」と願っていましたが、残念ながらその願いは早々に打ち砕かれました。
10歳の冬に、いつものようにスキー旅行へ出掛けたのですが、何故か1泊した後に両親が急に「帰るよ！」と言って、帰り支度を始めるではありませんか！
2泊3日の予定で訪れていた旅行なのに、一体どうしたんだろう？ と戸惑いましたが、結局、その理由について解明されることはなく、慌ただしく民宿を後にしました。
その際、他の家族達に挨拶さえ出来なかったので、非常に寂しかったのを今でもよく覚えています。
大人になって真相を知る
それから家族ぐるみのスキー旅行が計画されることはなくなり、それどころか父親は学生時代の友人達とも疎遠になっていきました。
「一体、何があったんだろう？」とずっと疑問に思い続けていましたが、20歳の時にその理由を知ることとなります。
母と古いアルバムをめくっていた際に、スキー旅行の写真が出てきて、その際に母が理由を話してくれたのです。
「実はメンバーの中で、Y君とA君の奥さんが不倫していたのよ……。2人ともそれぞれ、家庭があるのに、別の部屋でコッソリ密会していたの。それで修羅場に発展して、私達は早々に帰宅することにしたの」
まさか、あの時そんなことがあったなんて！ それを聞いて私は絶句しました。
元同級生という固い絆で結ばれたハズの友人内で、起こってしまった裏切り行為。
双方の家族の話し合いを行う為に、他の家族は席を外す為に帰宅し、それを機に旅行も中止になってしまったのでした。
アルバムに残された集合写真の笑顔が眩しい分「あの日々にはもう戻れない」という事実を突きつけられ、とても胸が痛くなりました。
だってそれ位、あのスキー旅行は私だけでなく、父にとっても特別なひと時のハズでしたから。
不倫中は周りが見えなくなると言いますが、楽しかった時間を返してほしいと心から思うのでした。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター：六条京子
