「ゼロカーボンパーク」を宣言 長崎・雲仙市 国立公園指定90年で式典

国立公園「雲仙」指定90年の歩みを振り返ったパネルディスカッション=雲仙市、雲仙観光ホテル

 雲仙岳周辺が日本最初の国立公園に指定されて90周年を祝う記念式典(実行委主催)が24日、長崎県雲仙市小浜町の雲仙観光ホテルであり、市は脱炭素化に取り組む国立公園「ゼロカーボンパーク」に九州で初登録したと発表した。金澤秀三郎雲仙市長は「豊かな自然と景観を守りつつ、脱炭素化を推進する」と宣言した。
 ゼロカーボンパークは脱炭素化と持続可能な観光地を目指す国立公園を環境省が登録する制度。全国34公園のうち今回で15カ所目。雲仙市は今月16日に登録し、地獄の熱で水を温めて暖房や給湯に使う「燗(かん)つけ」のツアー開発などを計画している。
 記念式典には伊藤信太郎環境相をはじめ国や県、島原半島3市の首長ら約200人が参加。観光関係者ら7人が登壇したパネルディスカッションで、雲仙旅館ホテル組合の福田努組合長は「雲仙は国立公園、世界ジオパークと、世界中が欲しいものがある。魅力を深掘りして歴史とともに生かしたい」と述べ、指定100年へ機運を高める決意を新たにした。
 同市国見町出身で「普賢岳のホームドクター」として知られる太田一也九州大名誉教授は「(雲仙という)火山を知り、災害の実態を学び、後世に伝えよう」とビデオメッセージを寄せた。雲仙などの歴史を研究するブライアン・バークガフニさんの講演もあった。
 雲仙国立公園は1934年3月16日に指定され、56年に熊本県の天草地域が加わり現在の「雲仙天草国立公園」に改称した。

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