“メモ魔”の星野陸也が「誘われちゃった」ダブルパー

5打差から首位を追い上げられず(撮影/谷口愛純)

◇欧州ツアー◇ポルシェ シンガポールクラシック 最終日(24日)◇ラグーナ・ナショナルゴルフリゾートC(シンガポール)◇7420yd(パー72)

後半に入って2つ叩いたボギーが、星野陸也の判断を鈍らせた。グリーン周りに池が絡む16番で、2度池に捕まって「+4」。4日間で難度3位の難しいホールとはいえ、「いやあ…罠にはまりました」と悔いるしかなかった。

首位と5打差から迎えた最終日は、前半からショットもパットもなかなかかみ合わない。3日間バーディを獲り続けた3番(パー5)で、この日は一つ目のボギーが出た。6番からの3連続でようやく流れをつかんだように思えたが、後半は12番、14番(パー5)でスコアを落とした。

まさかの「+4」を叩くなど苦戦(撮影/谷口愛純)

グリーン右サイドに池が絡む16番は、周りを見れば2打目でセーフティに左サイドを狙う選手が多い。本来ならセオリー通りに行くはずが、後半のボギーで焦りが出た。

「イチかバチかで狙って、2yd足りずに手前の池に入った」とフェアウェイから残り90ydの2打目が池。打ち直しの第3打もライに悪く、ミスショットで再び池…。6オン2パットのダブルパーで終えた後、池越えの17番(パー3)でも池に入れてボギーを叩いた。

メモ魔(撮影/谷口愛純)

最終ホールのパー5は8mのパットを決めてイーグルフィニッシュ。「もう、スコアを数えるのが大変だった」と「76」で終えたときにはヘトヘトだった。

49位で終えた最終日は「うまく行かなかった」と悔いが残る。それでも学びはあった。本戦中、グリーン上では毎日、毎ホール、コースメモを開いて傾斜を詳しく書き込んでいる。

細かく書き込まれたメモ(撮影/谷口愛純)

「海外では、小さい傾斜が命取りになるから」と去年からメモを作ってきた。今年は開幕前に薬丸龍一キャディに作ってもらったメモを、本戦中に自分でアップデート。

トーナメントに出る前は、コースメモが売っていない試合は自作でコース図を描いていたという“メモ魔”でもある。きれいに色分けされた細かい線は、来年以降に向けての武器になる。「誘われちゃいましたね」とスコアを落とした16番も、またひとつ来年に向けて勉強になった。

アイアンカバーに同組選手も興味津々だった(撮影/谷口愛純)

1月からほぼ休みなしで続いた連戦は、これでひと段落。日本に帰国してつかの間の休息をとり、次戦は4月25日開幕の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」(静岡・太平洋C御殿場コース)になる。

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