長崎・諫早市出身の伊東静雄の詩 合唱や朗読 「菜の花忌」市民ら100人集う

伊東の遺影と菜の花の前で歌を披露する生徒=諫早市永昌東町、L&Lホテルセンリュウ

 長崎県諫早市出身の浪漫派詩人で、昭和の詩壇を代表する一人として活躍した伊東静雄(1906~53年)をしのぶ「菜の花忌」が24日、市内で営まれた。文化関係者や市民ら約100人が集い、遺影に菜の花を手向けた。
 市芸術文化連盟が伊東の命日に合わせ、詩碑がある諫早公園(高城町)で毎年この時期に開いている。60回目の節目となった今年は雨天のため、市内のホテルに会場を移した。
 伊東の詩の一部を曲にした「そんなに凝視(みつ)めるな」を市立諫早中合唱部が歌い、関係者らが詩を朗読。本年度の市中学生・高校生文芸コンクール詩部門で最優秀賞に輝いた市立北諫早中2年、是成夏穂さん(14)、県立希望が丘高等特別支援学校3年、江島和希さん(17)が受賞作を披露した。
 第34回伊東静雄賞の贈呈式もあり、北九州市の鷹取美保子さん(72)に贈った。同連盟伊東静雄顕彰委員会委員長の上村紀元さん(83)は「平和を希求した伊東の作品が改めて見直されている。菜の花忌を続け、その思いを伝えていきたい」と話した。

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