『世界一受けたい』ディズニー音楽の秘密を徹底解説 物語の舞台となる地域の“民族楽器”を使用する狙いとは

古今東西の名物講師が登場し自ら「使える学問」を講義する『世界一受けたい授業』。19年半続いた番組が終わりを迎えるということで、『最終回3時間SP』が3月23日に放送された。「ディズニー音楽はなぜ一度聴いたら頭から離れないのか」という講義では、『アナと雪の女王』や『モアナと伝説の海』の日本語版の音楽と吹き替え制作の総責任者・目黒敦先生を講師に迎え、ディズニー音楽に散りばめられたたくさんの秘密を徹底解説された。

ディズニー音楽が、一度聴いたら頭から離れない秘密はいくつかある。そのうちの一つは、「歌唱シーンがリアルである」ということ。ディズニー映画の歌唱シーンでは、いろんな国の言葉で吹き替えをする時、「キャラクターの口の動きにその国の言葉を合わせる」というルールがある他、キャラクターアニメーションに呼吸の動きを取り入れ、リアルな歌唱シーンを作るという工夫がされているという。

また、他にも音楽やストーリーを作る前に舞台となる地域を徹底的にリサーチするという秘密がある。2016年に公開された『モアナと伝説の海』の制作では、監督と製作チームが5年間、舞台となるポリネシアの島々を巡り、現地の音楽や文化を体験。曲中にポリネシアの民族楽器を使用しながらもディズニー音楽の親しみやすさを取り入れることで、ディズニー音楽とポリネシア音楽を融合させている。他にも、映画『ムーラン』や『アラジン』でもそれぞれ中国と中東地域の民族楽器が使用されている。

1940年公開の映画『ピノキオ』では、登場人物一人一人にメロディーテーマソングをつけるというオペラで伝統的な手法が用いられた。一つの曲をシーンやそのキャラクターの感情に合わせてテンポを変えたり変調させたりすることで、その曲が頭から離れなくなる仕掛けである。

革新的なエンターテインメントに常にチャレンジしていたウォルト・ディズニーは、オリジナリティを出すために、クラシック音楽を使用。映像に合った音楽を作るのではなく、クラシック音楽からインスピレーションを得て映像化することで言語が違う人々が楽しめる作品を作ることを実現した。スタジオ出演したハラミちゃんは「私もクラシックを学んでいた時に、“頭の中に映像を作りなさい”ってずっと言われていたので、音楽があっての逆算された映像作りなんだっていうのを改めて学んで、もう一回見返したいなって思います」とコメントした。

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