アレックス・パロウが初開催のミリオンダラー・チャレンジを勝利。優勝賞金50万ドルを手にする/インディカー

 3月22日(金)~24日(日)にかけて、カリフォルニア州パームスプリングス郊外の会員制サーキット『ザ・サーマルクラブ』にて、総額約100万ドル(時価総額約1億5123万円)の賞金を賭けた2024年NTTインディカー・シリーズのエキシビションイベント『ミリオンダラーチャレンジ』が行われ、最終ヒートレースをアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)が制した。

 4度の走行セッションを実施した公開テストと併催で行われたこの『ミリオンダラーチャレンジ』は、選手権ポイントが発生しないノンチャンピオンシップイベントである代わりに、総額100万ドル(時価総額約1億4700万円)を賭けてレースを行う特別レースだ。

 まずは公開テスト後に、2グループに分けた予選セッションと各ヒートレースを実施。そして各ヒートの上位6名は、最終ヒートレースに進出するという流れで勝者を決めていく。

 10周で争われた各ヒートレースは、レース1をフェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング)、レース2をパロウが制し、各ヒートの上位6名を寄せた12名で20周の最終ヒートレースが実施された。

2024年NTTインディカー・シリーズミリオンダラー・チャレンジ ヒートレース1ではロマン・グロージャン(フンコス・ホーリンガー・レーシング)がクラッシュするアクシデントも発生
2024年NTTインディカー・シリーズミリオンダラー・チャレンジ ヒートレース2の様子

 最終ヒートに進出したのは、レース1からはローゼンクヴィスト、スコット・マクラフラン、ジョセフ・ニューガーデン、クリスチャン・ルンガー、アグスティン・カナピノ、コルトン・ハータの6名、レース2からはパロウ、マーカス・アームストロング、グラハム・レイホール、リヌス・ルンドクヴィスト、ピエトロ・フィッティパルディ、アレクサンダー・ロッシの6名が進出し、以上12名が20周のレースを戦うグリッドに整列した。

 20周のレースは、前半10周が終了した時点で全車ピットインを行い、タイヤ交換無しで10分間のハーフタイムを経たのち、後半10周を争うといった特別フォーマットで行われる。プッシュ・トゥ・パスについては、最大40秒が2回使用可能だ

 迎えたスタートは、パロウが先頭を死守、2番手には1ポジションアップのマクラフランが続いた。3番手はローゼンクヴィスト、4番手にはアームストロングがつけている。以降は、後半10周の戦いのためにタイヤを温存するためか、争いは控えめに前半10周の周回を消化する展開となる。

 しかし、10分間のハーフタイムを終え、再度コースインをした12台のマシンはリスタート直後に豹変。賞金をかけた各ドライバーは1ポジションでも上位でフィニッシュするべく激しいバトルを繰り広げる。

 中団勢ではポジション争いが激化し、オーバーランによって大きなロスを喫してしまうドライバーも現れた結果、順位は目まぐるしく変わっていく。そんななか、パロウを先頭とする首位3台は好ペースでリードを築き、それぞれ約4秒の間隔で周回を重ねていく。

2024年NTTインディカー・シリーズミリオンダラー・チャレンジ 最終ヒートレースのスタート
2024年NTTインディカー・シリーズミリオンダラー・チャレンジ 最終ヒートレースのポジション争い。ジョセフ・ニューガーデンとアレクサンダー・ロッシは激しいバトルの末に両車ポジションダウンを喫してしまった

 バトルも多発した最終ヒートレースは、大きなアクシデントもなくチェッカーを迎え、先頭からスタートを切ったパロウが勝利。優勝賞金の50万ドル(約7561万5000円)を獲得した。

 スタート直後のポジションアップから、好ペースで2位を守り抜いたマクラフランは35万ドル(約5293万500円)、3位のローゼンクヴィストは25万ドル(約3780万7500円)をそれぞれ獲得している。

 4位につけたのは、12番手からスタートをしたハータだ。レース序盤は最後方から戦いを開始したものの、後半10周にスパートをかけるためにタイヤを温存しスローペースで走行。レース再開後に猛プッシュをかけ、見事8ポジションアップを果たして10万ドル(約1512万3000円)を手にした。

 5位にはパロウのチームメイトでもあるアームストロングが入り、5万ドル(約756万1500円)を獲得。以下6~12位には、2万3千ドル(約347万8290円)の賞金が贈られている。

 なお、今回のミリオンダラーチャレンジはノンチャンピオンシップイベントとなっているため、チャンピオンシップポイントの付与はない。現在のランキングトップは、前戦セント・ピーターズバーグで勝利をあげたジョセフ・ニューガーデンとなっている。

 開幕戦セント・ピーターズバーグではチーム・ペンスキー勢が好走を見せ、チップ・ガナッシ・レーシングのペースに陰りが見えたが、今回の公開テストおよびミリオンダラー・チャレンジでは、チップ・ガナッシ・レーシングが復調を果たしたとも言える走りを見せた。始まったばかりの2024年シーズンの勢力図を占う第2戦ロングビーチは、カリフォルニア州ロングビーチの市街地を舞台に4月21日に開催される予定だ。

■2024年NTTインディカー・シリーズ

ミリオンダラー・チャレンジ 最終ヒートレース

Pos. No. Driver Team Engine Laps/Gaps Prize money($)

1 10 A.パロウ チップ・ガナッシ・レーシング H 20 500,000

2 3 S.マクラフラン チーム・ペンスキー C 5.7929 350,000

3 60 F.ローゼンクヴィスト メイヤー・シャンク・レーシング H 9.7587 250,000

4 26 C.ハータ アンドレッティ・グローバル H 13.1126 100,000

5 11 M.アームストロング チップ・ガナッシ・レーシング H 15.0938 50,000

6 8 L.ルンドクヴィスト チップ・ガナッシ・レーシング H 16.1064 23,000

7 7 A.ロッシ アロウ・マクラーレン C 16.5393 23,000

8 2 J.ニューガーデン チーム・ペンスキー C 17.6675 23,000

9 45 C.ルンガー レイホール・レターマン・ラニガン H 19.7073 23,000

10 78 A.カナピノ フンコス・ホーリンガー・レーシング C 20.4100 23,000

11 15 G.レイホール レイホール・レターマン・ラニガン H 11Laps 23,000

12 30 P.フィッティパルディ レイホール・レターマン・ラニガン H 20Laps 23,000

2024年NTTインディカー・シリーズミリオンダラー・チャレンジ 最終ヒートレースをリードするアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)
2024年NTTインディカー・シリーズミリオンダラー・チャレンジ 最終ヒートレースを勝利したアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)
2024年NTTインディカー・シリーズミリオンダラー・チャレンジ 表彰台
2024年NTTインディカー・シリーズミリオンダラー・チャレンジ スコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)
2024年NTTインディカー・シリーズミリオンダラー・チャレンジ フェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング)
2024年NTTインディカー・シリーズミリオンダラー・チャレンジ コルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル)
2024年NTTインディカー・シリーズミリオンダラー・チャレンジ ザ・サーマルクラブでエキシビションレースを観戦するファン

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