宇野亞喜良の過去最大規模の個展を東京オペラシティ アートギャラリーで 1950年代の企業広告から最新作まで約900点、短編アニメの上映も 

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日本を代表するイラストレーターでありグラフィックデザイナーでもある宇野亞喜良の個展『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO』が4月11日(木)〜6月16日(日)、東京オペラシティ アートギャラリーで開催される。

1934年名古屋市生まれの宇野亞喜良は、1960年代に「イラストレーション」「イラストレーター」という言葉を広めた先駆者であり、今やレジェンドとも呼ばれる存在だ。その華麗で繊細な絵柄はよく知られているが、多ジャンルにわたる彼の創作を知る機会は希少だ。同展では、過去最大規模となる900点を超える作品でその全貌に迫る。

19歳でグラフィックデザイナーの登竜門「日本宣伝美術協会(日宣美)」で入選を果たすなど、早くに才能を見出された宇野は、グラフィックデザイナーとして活動をスタートした。本展では、さまざまな企業広告、演劇実験室◎天井桟敷などアングラ演劇などのポスターを紹介。原画と印刷技術を駆使した表現の両方が楽しめるだろう。

演劇実験室◎天井棧敷公演『星の王子さま』ポスター 1968 ©AQUIRAX

また、現在まで70冊を超える絵本を手がけ、多くの児童書にも携わってきた。横尾忠則と企画した『海の小娘』、今江祥智との『あのこ』など、バリエーション豊かな世界が味わえる。併せて、新聞や雑誌のイラストレーション、書籍の装幀なども多数展示される。なお60年代には短編アニメーション『白い祭り』『お前とわたし』『午砲(ドン)』を制作。同展ではその3本すべてを上映する。

『あのこ』原画 1966 ©AQUIRAX

さらに宇野は、1987年の個展をきっかけとして、毎回テーマを決めて個展を開催してきた。そこで発表された、クライアントワークとはまた異なる自由な作風も紹介する。1990年代半ば以降は舞台装置や衣装、メイク、演出や脚本など演劇の総合プロデュースにも力を入れている。近年では俳句に親しみ、松尾芭蕉や寺山修司が詠んだ句をテーマに新作を描くなど、時代を超える多彩な活動が展開されてきた。「魅惑のサウスポー」とも言われる宇野のファンタジックでときにエロティシズムも漂う、境界のない世界を堪能したい。

<開催概要>
『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO』

会期:2024年4月11日(木)~ 6月16日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合開館翌日休)
料金:一般1,400円、大高800円
公式サイト:
https://www.operacity.jp/ag/

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