職場でも家庭でも応用可!〈愛される働き方〉をする人が実践していること

(※写真はイメージです/PIXTA)

誰かから仕事の依頼を受けたとき、その仕事を滞りなく遂行することが一番重要です。しかし、「依頼主の期待以上の仕事ができれば、好感度が上がり、次の依頼も来るようになる」と、多数のWebサイト制作を手掛けてきた起業家の土岐あい氏は言います。土岐氏の著書『SNSサポート副業』(大和出版)より、「愛される仕事術」について、詳しく見ていきましょう。

クライアントが作業者に求める「3つのポイント」

(1)期待以上にクオリティが高い

(2)期待以上にスピードが速い

(3)指示が少なくても汲み取って主体性を持って進行してくれる

クライアントが求めることが満たされていれば相場での発注になりますし、期待以上であればその作業者の単価は、たとえ価格が高くなってもまたリピートして発注を受けることになるでしょう。

(1)期待以上にクオリティが高い

サービス提供や納品物はプロとして、一定のクオリティがあれば基本的には問題ありません。でもこの一定のクオリティを超えてくる人がいたら、またお願いしたいと思います。

たとえばこのようなことです。「東京から大阪へ出張をするのでホテルと飛行機を手配してほしい」というオーダーがあったとします。この場合、言われた通りにホテルの予約をとり、飛行機のチケットを取れば仕事としては成立します。

でも、またお願いしたいと思われるスタッフだったらどうでしょう?

・東京から大阪への飛行機のチケットを手配。その際にマイルが貯まるように航空会社のアライアンスを確認してマイル登録

・飛行機の時間から逆算して、空港到着時間と自宅を出発する時間を確認してカレンダー登録。必要ならばタクシーの手配

・到着空港からホテルまでのタクシーやレンタカーの手配

・ホテルの予約。クライアントが所有するカードの優待などを確認し、より良い条件で宿泊できる場所を予約。アーリチェックイン、レイトチェックアウト、部屋のアップグレードなどリクエスト可能なものを事前にホテル側に知らせておく

・出張先での会食等の確認、店の手配、会食相手への連絡事項の確認

・出張先でのおすすめの飲食店やお土産のリストアップ

・帰りの便の時間確認とタクシーの手配

・到着便から自宅までのタクシーの手配

いかがですか? ここまでしてもらえたら「好き♡」ってなりませんか? もうこの人なしでは出張に行けないと感じさせることができたら、リピート確定です。

デザインでもライティングでも事務でもSNS投稿代行であっても、同様です。期待を超えるサービス提供があると、リピートや紹介につながります。

期待を超えるものを提供するのに必要なのは「想像力」です。

言われたことをやる作業者ではなく、想像力を働かせて、クライアントが何を求めているかまで汲み取って仕事をすることができれば、仕事が途切れることはなくなるでしょう。

視点や行動が変わる!会社でも家庭でも取り入れたい「仕事術」

(2)期待以上にスピードが速い

仕事の打診、通常のやりとり、納品物。どれをとってもレスポンスが速いというのは、発注側にとって非常にありがたいことです。聞いたことが、すぐに返ってくる、お願いしたことがすぐに上がってくるという状況は、仕事が滞ることなくスムーズに進んでいくので、物理的にも捗りますし、精神的にもストレスが少なくてすみます。

スピードが速いというのはそれだけで価値なのです。

案件にもよりますが、100のクオリティで1週間かかる人と、60のクオリティで1日で提供できる人だったら、後者が選ばれる可能性はおおいにあります。クオリティを上げることは経験を積んでいかないと難しいことですが、レスポンスを速くしたり作業を速くすることは、初期からでもできることなのでぜひ取り入れてみましょう。

(3)指示が少なくても汲み取って主体性を持って進行してくれる

クライアントは自分の手をあけて、時間をつくるために、お金を払ってSNSサポートを利用しています。ですので指示出しや確認に時間が取られてしまうと本末転倒になり、自分でやったほうが良いという判断になります。

一方で「指示待ち人間」のほうが多いというのも現状ですので、クライアントの意図を汲んで主体的に進行してくれる人がいたら、その人を手放したくないと考えます。

たとえばこういうことです。クライアントからの「オンライン対談の拡散画像をつくってください」というオーダーに対して、指示待ちの人は「必要な画像とテキスト、ご希望のイメージを教えてください」と言ったまま、納期を確認することもなく返信を待ちます。

一方、主体性を持って進行してくれる人の場合はこのような行動になります。

対談相手の方のプロフィール画像と、クライアントのプロフィール画像で画像を作成。画像上のテキストはクライアントの記事から抜粋してイベント名、日時、場所、キャッチコピーなどを掲載。イメージはクライアントと対談相手の既存のイメージや、ターゲットに合わせて推測。

ラフ画像を作成してクライアントに確認。

「こちらのテイストで制作いたしますが、いかがでしょうか? 画像、文章等変更がございましたらご連絡ください。対談が〇月〇日ですので、2週間前の〇日には画像が完成していると良いかと思います。〇日〇時までにご回答いただけましたら幸いです」

と確認期日を決めて確認の連絡。

もちろん、このような行動には依頼の全体像がわかっている必要があります。

最初は難しいかもしれませんが、経験を積んでいくことで、徐々に指示の意図や全体像が見えてくるようになると思いますので、たとえ末端の仕事であっても全体像を想像したり、把握する習慣をつけておくと良いです。

いかがでしたでしょうか? リピートと紹介が止まらない仕事術とはすなわち「想像力」と「思いやり」です。クライアントが何に困っていて何を求めているか、想像力を働かせて思いやりを持って進行していくことで、リピートや紹介が発生します。スキルというよりもスタンスの部分が大きいですので、ぜひ今から日常生活でも取り入れてみてください。

会社でも家庭でも視点や行動が変わると思いますよ。

土岐 あい
チームビジネスプロデューサー

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